【3,000字】スクールカウンセラー1年目の私が学校でのカウンセリングについてまとめてみた。
今日はよく最近質問をいただく、「カウンセラーの仕事ってどんな仕事なにの?何をしているの?」について書こうと思います。
カウンセラーの仕事は守秘義務があるため、守秘義務に抵触しない範囲でのお話になりますが、よかったらお付き合いください。
なぜ私がカウンセラーになったのか
私はもともと中学校の教員でした。
その私がなぜカウンセラーを目指すようになったのか。
ご興味ある方は、こちらのnoteにまとめてありますので、参考までにどうぞお読みください。
文部科学省の定義するスクールカウンセラーに求められているもの
まずはスクールカウンセラーを派遣している文部科学省のガイドラインを見ながら説明したいと思います。
長いので必要そうなところだけをご覧いただければと思います。
スクールカウンセラーの業務は、児童生徒に対する相談のほか、保護者及び教職員に対する相談、教職員等への研修、事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケアなど、ますます多岐にわたっており、学校の教育相談体制に大きな役割を果たしている。
スクールカウンセラーは、1~7のような児童生徒が抱える問題に学校ではカバーし難い多くの役割を担い、教育相談を円滑に進めるための潤滑油ないし、仲立ち的な役割を果たしている。
児童生徒に対する相談・助言
保護者や教職員に対する相談(カウンセリング、コンサルテーション)
校内会議等への参加
教職員や児童生徒への研修や講話
相談者への心理的な見立てや対応
ストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応
事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケア
スクールカウンセラーが相談に当たる児童生徒の相談内容は、不登校に関することが最も多いが、いじめ、友人関係、親子関係、学習関係等多岐にわたっており、近年は、発達障害、精神疾患、リストカット等の自傷やその他の問題行動などますます多様な相談に対応する必要性が生じている。
また、近年、様々な課題に直面する学校現場でストレスを抱える教員が増加していることが、精神性疾患による休職者数の増加(表8 病気休職者数等の推移(平成8年度~平成17年度))に表れている。教員のストレスは、職場内におけるものに起因する割合が高く、こうした教職員のメンタルヘルスに求められるスクールカウンセラーの役割も期待されている。
どうやったら学校のカウンセラーになれるか
私は週に2回カウンセラーとして、都道府県から学校に派遣されて勤務しています。
私の場合は、このような経緯を踏んで、今学校で働かせていただいています。
1.公認心理師試験という心理の国家資格に合格
(この部分はこちらのnoteをご覧ください)
2.都道府県ごとのスクールカウンセラーの試験に合格
(市町村単位で採用しているところも)
3.学校に派遣いただく
基本的に年度始めの4月から翌年3月までの単年度契約です。1時間あたりいくらという時給で働いております。(自治体ごとに異なる)
年間上限回数が決まっています。(東京だと週1で計38回)
派遣先はだいたい3月中から下旬にわかることが多いです。
1日の過ごし方
1日はざっとこんな感じで過ごしています。
面談は子どもや保護者との面談がメインです。
日によって何件か面談をもち、45分や50分程度お話を聞いております。
空いている時間は記録を整理したり、関係のある先生方と情報共有をしたりして過ごしています。
また気になる児童生徒の授業を観察したりすることもあります。
学校によっては不登校の子どもが勉強する適応指導教室といったお部屋に行ったり、相談室登校の子どもがいたりする学校もあるかもしれません。
そのような子どもと接して、「最近どう?」とか他愛もない話をしていたり、相談室に置いてあるカードゲームで一緒にコミュニケーションの時間をとったりしています。
学校でカウンセラーとして意識していること
学校は「チーム学校」と言われているくらい、組織的に動くことを求められる場です。
基本的にカウンセラーというのは1対1で完結する閉じた面談の場であることが多いです。
ですが、学校というのはちょっと特殊で、"集団守秘義務"というのが適応されています。
つまり"学校という集団で聞いたことや個人情報などは守りましょう"というルールなのです。
だから面談で聞いた情報を、どこまで誰に伝えるのが良いのか、あるいは伝えないほうが良いのかが常に求められます。
また「チーム学校」の1メンバーとして、心理面のプロとして、どういう視点があれば子どもにとって保護者にとって学校にとってプラスに働くのかを考えていく必要があります。
だから自分の知識や経験を高めて、先生方に説明したり相談したりすることが求められていると私は考えています。(これが一番むずかしい)
だから学校を端から端までウロウロし先生を探すことも…
立ち話の1分とかで、情報を交換したりしています。たまにはじっくり情報共有して助言させていただくことも。
また学校によっては校内委員会に出席させていただき、不登校関係の子どもの情報を聞いたり、相談室の様子をお伝えすることもあります。
またもし自分以外にカウンセラーが他に勤務している場合は、ノート等で連絡したり相談したりしながらケースに関わるようにしています。
カウンセリングで気をつけていること
私は教員だったので、対人援助の仕事をずっとしてきました。
ですがカウンセラーとしては今年が1年目です。
カウンセリングの知識は大学院等で勉強したわけではなく、いろんな参考図書や勉強会に参加して勉強してきました。
またカウンセリングではないですが、個人的にコーチングやフォーカシングといった領域のスキルも積んでいます。
そんな私が、今一番面談の場で意識していることは、「自分の限界を知る」ということです。
何ができて、何ができないのかを知るということです。
私の場合経験も浅いので、面談の場で話を聞くことはできます。話を整理したり、気持ちに共感したり。
また抱えている問題を一緒に眺めて、どうやったら解決できそうかを一緒に考えてみたり。
また心理教育といって今の問題を解決するのに、役に立ちそうな心理知識を伝えたりしていることもあります。
ですが、「解決することはその人の力にある」「変化はグラデーションなので、すぐに変わることはない場合が多い」ということは理解しています。
そして「自分にできることは本当に微力である」という自分の限界も、この1年を通して感じてきたことです。
これからも私は研鑽を積んでいこうと思います。
伝えたいこと
・カウンセラーの資格をとるのは果てしないと思う人もいるかも。カウンセラーになぜなりたいのか。その職種は他にでもできないのかを一旦立ち止まって考えてみるのも良いかも。意外と気づいていない自分の価値観ややりたいことって見えてくるよ。
・カウンセラーの仕事は突き詰めると本当に専門的な仕事。私もこの1年でまだまだ知識も経験も浅いなって思っています。一緒にカウンセリングの奥深さを勉強していこう。
もしこのnoteを読んでもっと詳しく聞きたいという方は、こちらからご相談ください。今だけ30分無料で限定5名でお話を伺っております。気軽にお問い合わせください。
よろしければサポートをお願いいたします😊