見出し画像

感じるままに。

1.

冬になると、嫌でも貴方を思い出す。

あの日の想いも、景色も、匂いも

全部が鮮明に浮かび上がる。

二人のカケラを落としてきたこの街の時間は

私を置き去りにして、ちゃんと進んでいる。

あの時見えた貴方の嘘は今も胸に残ったまま。

「本当に…どこまでも最低な男。」

あの時の笑顔の意味が、ようやくわかった

気がした。


2.

才能に努力では追いつけない。

一体誰がこのことに気づいたのだろう。

気づかなくて良かったのに。

私がどれだけ努力をしても、

貴女には敵わない。

努力して手に入れた現在(いま)は

隙を見せればあっという間に

崩れ落ちてしまう。

才能と努力を重ねて駆け上がった貴女が

羨ましくて、憎い。

私にとって貴女は、一生の憧れで、

越えられない壁。

…そして私の黒い感情を生み出す相手。


3.

思い描く理想に追いつきたくて夢中で走る。

どこまで行っても距離は変わらない。

むしろ離されている気さえする。

このまま理想を追い求めて走り続けても

きっと辿り着かない。

"それでも、走らなきゃ"

僕の中で誰かが叫ぶ声がするんだ。


4.

目に見えるモノにどれだけの意義が、

どれだけの意味があるのだろう。

そこに存在する、という事実があるだけで

中身は空っぽだ。

目に見えないモノにこそ本当の意味がある。

今は目に見えないモノたちも

いつかは可視化されてしまうのか。

その日が来たら、きっと世界は色を失い、

退屈になるだろう。


5.

フィルターを通したキミを見て

好きだと言えるのは当たり前だ。

美しいところしか見えていないんだから。

ただ、いつかそのフィルターが無くなった時

キミのことを好きだと言えるだろうか。

ボクの想いは、所詮その程度。

…だけどキミだって、フィルターがかかった

ボクを見て好きとか言っているんだろう?

ほら、結局は一緒なんだよ。

「今日もキミは綺麗だね。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?