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書きかけの記憶

1.「空」

私が独りになったあの日は

うざいくらいに空が青かった。

私があなたと出逢ったあの日は

土砂降りの雨だった。

そんな日に出逢ったあなたとは

半年も続かなかった。

すごく、すごく大好きだったのに。

そしてまた独りになったその日は

うざいくらいの青空だった。

…まるであの人と別れて正解だと

言っているように。


2.「言葉の強さ」

言葉は強くて脆い。

たとえどれだけ上手く騙せても、

たとえどれだけ褒められても

言葉は目に見えないのだから

きっといつかは崩れてしまう。

もし、何にも負けない強さがほしいのなら

目の前に続く道を踏み外すことなく、

寄り道することなく生きること。

そして自分に、他人に正直でいること。

…そんなこと人間には到底できやしない。

踏み外すから、寄り道するから

生に飽きることなく時間を刻める。

言葉は、永遠に強くて脆い。


3.「近くにいたから」

アイツのことこんなに好きになるなんて

思ってなかった。

今までただの友達だったのに…

たった一言で崩れた私たちの関係。

たった一言で始まった私たちの恋。

「何?」

「いや…べつに。」

いつもの癖で可愛くない返事しちゃったし。

ていうか、なんでそんな普通でいられるの?!

私だけ変に意識しちゃってるみたいで

恥ずかしいんだけど!

〜〜…あぁ、もうっ!

「ねぇ、」

「今度は何?」

本当は認めたくないけど、悔しいけど、

「…好きだよ…」

「ばーか、んなこと知ってるわ。」


4.「記憶」

真っ青な絵の具を溢したような夏の空も

煌めく星が咲く美しい冬の夜も。

君と一緒に見た景色を、感じた思いを全部、

カタチに残したかった。

いつか思い出せなくなることが怖かったから。

だけど、気づいたんだ。

忘れていくことにもちゃんと意味がある、って。

忘れていくから、新しいことが見えるし

過去には過去の美しさ、

現在には現在の美しさがある。

たとえ僕たちが覚えていなくても、きっと

この空はずっと覚えてる。


5.「Find the answer」

正反対だから惹かれるのか

それとも似ているから惹かれるのか。

よくわからないけど、きっと考えたところで

答えなんて出てこないだろうし。

だから、その答えを君と見つけることにするよ。




終わりを失くした言葉たちへ。

気が向いたら、続きを書くから
その時まで気長に待っててね。

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