大航海中

数学とか英語なんかは、決まった数式や文法が
あって覚えてしまえば十分解ける。

国語なんかは、あくまで模範解答で
明確な正解というものは存在しない。

それでも、正解は常に在り続けていたから
真面目に問題集と向き合った。

さぁ、今はどうだ。

問題集？模範解答？そんなものはどこにもない。

正解の無い問題を考え続けて、
それっぽいところに辿り着く。
これが答えです、と無理矢理にでも結び付けて
自分を納得させる。
そんな毎日だ。

吸っても吸っても苦しくなるばかりの呼吸に
意味もなく泣きたくなる衝動。

辛いんだ、楽になりたいんだ。

でも、それができない。

進むにも退くにも勇気がいるところまで
来てしまったから。

心地の良い今を自分で壊したくはない。
だけどこのままじゃずっと苦しい。
かと言って何も無かった頃に戻るのは
寂しくなるから嫌だ。

わがままで、自分じゃ手に負えない自分が
心底気持ち悪くて仕方ない。

そんな自分を根本から変えることは
簡単にできることではないってわかってる。

だから余計に苦しくなるんだ。



堂々巡りの果て無い思考から溢れ出すのは、

全部、正解の無い問題。

何かに引き込まれるように
もっと、深いところまで。

呼吸も忘れて、ずっと、ずっと。

自分だけの海に溺れていく。