Summer Walker, Diana Ross, Silk Sonic, illrain… | 新譜ピックアップ (2021.11)
こんにちは、リホです。
11月にリリースされた楽曲やアルバムから、おすすめ作品をピックアップしてご紹介します。月次で記事を書いているので、過去分も読んでいただけると嬉しいです。
前月分はこちら。
Summer Walker - Still Over It
アトランタのR&Bアーティスト、サマー・ウォーカーがセカンドアルバム『Still Over It』をリリースしました。前作の『Over It』が大ヒットした彼女ですが、本作も今年の重要アルバムであることは間違いなく、リリースするやいなやチャートを賑わせていました。
前作に引き続き、持ち前のメロディアスなR&Bサウンドが響きます。しかし状況が異なるのが、公私ともに彼女のパートナーであったプロデューサー、ロンドン・オン・ダ・トラックとの破局、そして彼との間に授かった子供のこと。そのためか、リード曲の「Ex For A Reason」しかり、明るいサウンドとは裏腹に、鬱々とした気持ちを晴らそうとするような楽曲が続きます。わたしとしては、ファレル客演のアッパーチューン「Dat Right There」が好みでした。
また、本作はCD盤と配信盤で異なるジャケットが発表されています。配信ではパパラッチに追われるような写真、CD盤では赤ちゃんを抱えながら電話をする写真。傷も癒えぬままに世間のネタにされ、子育てにも追われ、サマー・ウォーカーの気持ちが思いやられました(ということもあり、タイトルが『Still Over It』なのでしょうか)。
Diana Ross - Thank You
世界のディーバ、ダイアナ・ロスのなんと22年ぶりとなるアルバム『Thank You』がリリースされました。
御年77歳とのことですが、なんともゴージャスなアートワークも目を引きます。シュープリームスとしてデビューしてからは60年だそうです。
アルバム全体を通して、包み込むような愛と感謝が詰め込まれたサウンドを感じます。リード曲でもある、1曲目「Thank You」が特に多幸感のある楽曲です。ダイアナ・ロスが自身のキャリアを振り返り、サポートしてくれた周囲の人びとやファンに対して、感謝を込めて歌っているような印象を受けました。(または、結婚式の退場シーンなんかが思い浮かんでしまいました。BGMにいかがでしょうか。)
後半はスロウなバラードが続く流れもありますが、「If The World Just Danced」や「Let's Do It」、「Tommorrow」のようなチャレンジングな楽曲もあり、現代のポップ/R&Bシーンのアーティスト達を支えるプロデューサー陣の手腕が光ります。
Silk Sonic - An Evening With Silk Sonic
さて、お待たせしました、お待たせし過ぎたかもしれません。
ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークのユニット、シルク・ソニックがアルバム『An Evening With Silk Sonic』をリリースしました。こちらについては、もう、池城美菜子さんが流石の解説をされているので、そちらをご参照いただきたい。(丸投げ)
やはり、サウンド最高!本人たちもとっても楽しそう!なのに、リリックが、ん?でなんだかコメディ要素が感じられ、おもしろいところが魅力かなと思います。個人的には「Skate」が好きですね。MVも爽やかだし踊りだしたくなります。
上記の解説を読んで聴き直すと、なるほどアルバム全体がストーリーになっているように感じられます。ぜひとも来日公演をやっていただきたいお二人です。
illrain - Brainwash Weapon
ビートメイカー、プロデューサーのillrainがアルバム『Brainwash Weapon』をリリースしました。
山口出身、横浜を拠点に活動するillrain。客演ラッパー達のラインナップの幅広さに驚きますが、やはり9for、Carz、Donatello、Leon Fanourakisなど、横浜勢が目立ちました。20曲近い収録数ですが、1曲1曲は短めで、何にせよ次々と異なるラッパーが出てくるので聴いていて全く飽きません。
“洗脳”にインスピレーションを受けたというアルバムは、ホラーチックなビートに、ラッパー達の力強いフロウ、ラインが映えます。
MVも出ている「Birkin」は耳に残るフックとHenny Kちゃんのバースが好きです。「RoofTop」では安定のラップの上手さの9for、Kazuo、ラップスタア誕生にも出演し注目が集まるBonberoが参加しています。また、「MAKIBISHI」で参加している、こちらも女性のラッパーですがSHIONさんも気になりました。
V.A. - X-FACTOR 2
気鋭のレーベル、AOTL監修のコンピレーション『X-FACTOR 2』がリリースされました。
Yo-Sea、3House、GOODMOODGOKUらを中心に、夜にベッドサイドで聴きたいようなメロウな楽曲のオンパレード。特に、2曲目「LOVE & Affection」が好みでした。「Sonomama」の < Uhドレミファソラ / She don’t play no more homie >というクスっとしてしまうリリックも好きです。
前作ではKANDYTOWNの面々の参加もありましたが、今回は一層、ラップよりもボーカル陣が聴かせるようなEPに仕上がっていました。
その他の注目楽曲 / プレイリスト
その他、11月によく聴いていた曲をまとめています。
Terrace Martinのアルバムが素晴らしかったのですが今回力尽きて取り上げられていません。ご容赦ください。あと池田エライザが”ELAIZA”名義でリリースしたアルバムもおすすめです。
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