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大田区環境アクションプランパブリックコメントのポイント

こんばんは。りほです。

大田区では現在、「大田区環境アクションプラン」のパブリックコメントを募集しています。※2022年3月8日(火)まで

私達がこれからも地球で安全に暮らせるかは、2030年までに、どれだけ温室効果ガスの排出を減らせるかにかかっていると言われいます。そして、この計画は令和4年度(2023年度)~令和6年度(2025年度)が対象です。

とっても大事な期間の計画、、、にもかかわらず、いくつかの問題点があるため、このブログではその点も踏まえてこの計画のポイントをお伝えします。読んでいただき、一緒に声を届けてくれたら嬉しいです。

■そもそもパブコメとは?

パブリックコメント(通称パブコメ)とは、国や自治体などが政策を実施していくうえで定める政令や省令について、決めようとする際に、あらかじめその案を公表し、広く意見や情報を募集する手続のことです。

平成17年より法制化されていて、集まった意見は十分考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています。

私たちが意見を届けることで、行政に対して「あなたたちが作る政策、注目してますよ!」と、意思表示をすることができるんです!

■チェックするポイント

それでは早速、環境アクションプランをどんな観点でチェックするかお伝えします。ポイントは4つです。

①気候危機回避できる?
②施策は効果的?
③区民参加型になってる?
④進捗管理PDCAは適切?

■計画の問題点

ポイントをもとに内容を見ていったところ、大きく4つの問題点がありました。

☞問題点1: 温室効果ガス排出削減目標が低い

2030年46%減(2013年度比)。日本の現在の目標と合わせたようですが…日本が国際的な責任を果たすためには60%以上の削減が必要です。目標数値の引き上げを求めたいところです。

☞問題点2:エネルギー消費量の削減目標がない!

素案には以下のように記載がありました。

なお、大田区環境基本計画(後期)では「エネルギー消費量の削減目標」を設定していましたが、エネルギー消費量はバックキャスティング手法で算定できない(=電気等のエネルギー使 用が将来的にゼロになることはない)ため、本計画では設定しないこととします。(大田区環境アクションプラン素案、P32参照)

ただ、長野県をはじめ削減目標を掲げているところは多くありますし、何よりいくら電力を再エネに変えたところで、使う量が減らなければ効果が半減してしまいますよね。

☞問題点3:再エネの導入数値目標がない!

素案には「再生可能エネルギーの導入拡大」といった趣旨のことは書かれていたものの、具体的な数値目標はありませんでした。他の自治体では掲げているところも多くあります。大田区でも掲げてほしい!(できるだけ高い目標で…!)

☞問題点4:ごみの量削減に関する施策が不十分

この計画のビジョンのなかで「2050年プラごみ・食品ロスゼロ」を掲げています。ただ、詳細の施策等はありませんでした。本気でゼロを目指すなら、数値目標や具体案(まだないならどう決めていくか)を設定すべきです。

☞その他の問題点

上記以外にも…

パブリックコメントの期間が3週間(行政手続法意見公募手続の規定によると、期間は公示の日から起算して30日以上でなければならないとされている)と短く、その理由も書かれていない。

などの問題点がありました。

■パブコメの送り方

電子申請・持参・FAX・郵送が選べます。以下から送れますのでぜひご確認ください!

■パブコメ例

なかなか時間がなく、文章を考える時間がない!という方は、例を記載するのでよければ参考にしてください🌱

▼2030年までの温室効果ガス削減目標の引き上げ

2030年までの温室効果ガス排出量の削減目標を46%としていますが、それでは低いため目標値の引き上げを行ってください。日本としても2021年に行われたCOP26で同じ数値目標を提出していますが、COP26で提出された各国の目標が達成されても今世紀末までに2.4℃気温が上昇してしまう見通しと、国際環境NGO Climate Action Trackerが発表しています。 

目指すべき1.5℃を達成するためには、日本の2030年までの削減目標は62%を掲げるべきだと言われています。
そしてCOP26では、各国に2022年末のCOP27までに、2030年の温室効果ガス削減目標を「見直し」「強化」して再提出を求めることも明記しています。

人類が地球で生き続けられるために1.5℃に気温上昇を抑えることが非常に重要で、できるかできないかを議論している猶予はありません。大田区環境アクションプランは現在から策定を行うものであるため、1.5℃に整合した62%以上に目標を引き上げてください。

▼エネルギー消費量削減目標の設定

他の自治体では2050年目標や2030年目標を掲げています。長野県では、2050年に2010年比で最終エネルギー消費量を7割削減することを目標としています。そして運輸・家庭・業務・産業それぞれの部門でも削減目標を設定しています。気候変動の問題ではエネルギーをどう作るか(再エネ)の議論は盛んに行われていますが、どう使うか(省エネ)の議論は少ないように思います。どう消費量を減らしていくか具体的に検討を進めるためにも、削減目標を設定してください。

▼再生可能エネルギー導入目標の設定

日本の再生可能エネルギー導入目標は2030年電源構成で36~38%となっています。また、経済産業省が出している「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」には、さらなる高みを目指すとも記載がされています。大田区としても導入目標を設定してください。

▼ごみの量削減に関する施策

本プランのビジョンのなかに「2050年プラごみ・食品ロスゼロ」を掲げています。ただ、そのビジョンを達成できるだけの施策になっていないと感じました。事業イメージ(素案P52)を見ても、その内容でゼロになるとは思えません。本気でゼロを目指すなら、数値目標や具体案(まだ決められていないのであれば、いつまでにどう決めていくか)を設定すべきです。

■参考リンク集

今回の文章を書くのに参考にしたリンク集です。よければご参照ください!

▼Climate Action Tracker「日本の1.5°Cベンチマーク」

▼BBCニュース「【COP26】 目標達成しても2.4度上昇か、世界の気温=報告書」

▼ハフポスト日本版「【総括】COP26から見えた日本の宿題とは? 2022年の気候変動対策を考える」

▼ゼロエミッションを実現する会「野心的な市区町村の温暖化対策実行計画の作り方(信州大学茅野先生)」

▼経済産業省「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」

■最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました!一人でも、この記事を読んで声を届けてみようと思ってくださる方がいたら、とても嬉しいです☺

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