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胸郭出口症候群 TOS


胸郭出口症候群の中にも分類があるのは、セラピストのみなさんご存知でしょうか?

おおまかな分類として、まず3つに分けることが出来ます。
神経性TOS  (NTOS)
静脈性TOS (VTOS)
動脈性TOS (ATOS)です。

そのうちNTOSが90%以上、VTOS5%、ATOS1%といわれています。

それぞれ病態が異なりますので、評価による鑑別が必要になります。

簡単に説明すると、
まず、VTOSは鎖骨下静脈が問題となるので、チアノーゼや腕の腫脹が現れます。鎖骨下静脈に出来た血栓が、問題になることが多いです。これらの症状があればVTOSを疑います。

次にATOSのほとんどは、頸肋や第一肋骨の奇形が原因となるため、レントゲンで鑑別が可能です。ただしNTOSでも頸肋があると発症率が高まるので鑑別が必要です。
ATOSは自然発症であることに対して、NTOSは事故などの外傷により発症することが、一つ鑑別するポイントになります。

問診や画像だけでもある程度鑑別が可能です。

整形外科的テストですが、
元来行われてきた、アドソン、エデン、ライトなどのテストは、NTOSを検出するためのテストですが、脈拍を評価しているため、現在では信頼性がないという議論があります。

NTOSを評価するには、ルーステストやモーレーテストが比較的信頼性が高いようです。

あとは、非特異性 TOSの存在が議論になっております。画像や身体所見では問題なく、症状だけ出現している患者さんが多く存在します。
TOSに関してはまだまだ不明なことが多く、基本的な診断としては、神経根症や、肩疾患などの他の病態を除外することが、重要です。

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