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成田山でサルエルパンツを買った話

ゴールデンウィーク明けの平日ど真ん中に成田山へ行った。
前々から着物仲間を募って、みんなで楽しもうという企画をして、総勢10名という大人数で集まることができた。

参加者の募集自体もクローズドな場で行ったし、企画の日程も一般的には非常に参加しづらい平日なので、少人数でこぢんまりとやれたらいいなあ…なんて考えていたわけだが、正直予想外の大人数となった。せっかく楽しみにしてくれている参加者の皆様を、がっかりさせないだろうか、不快にさせないだろうかと、当日が楽しみであった反面、正直不安も大きかった。

しかしいざ当日になってみれば、そんな心配も(おそらく)杞憂で、企画と言いながらほぼ無計画ではあったが、天気にも運にも恵まれ、おかげさまで最後解散するときまで笑顔の絶えない会になったのではないかと思う。

その中でも、今後同様の企画をする上で、大いに学ばせてもらったことがあったので覚え書き。

・思っていたよりも高低差があって歩くのにハードだった。その点をアナウンスした方が良い
・飲食店は事前に予約しないと厳しい
・人数が増えるなら、ゆるーくお店に寄ったりするのは難しい
・この時期でも日差しが暑い。水分補給できる準備があった方がよい
・事前に場所を把握して、回るコースは決めておくべき

少人数で楽しむのと、ある程度の人数で観光することの違いを感じた、良い経験になった。今回、至らないところもたくさんあっただろうから、参加してくださった皆様には感謝しかない。

そんな話はさておき、表参道には観光客向けの、成田山詣りにはおよそ関係のなさそうなものがたくさん売っている。成田山の観光名物や、なんとなく日本、和、っぽいものから、もうそういうの関係ない、異国情緒漂うものまで。そんな色々を、文字通り自分の気の向くままに巡った中で、1100円で売られているサルエルパンツを買ってしまった。

一般庶民が日常生活を送る上で、自転車という移動手段は欠かせないものだ。一方で、普段着物生活をしていると、自転車の乗りにくさがネックになる。
今までも、何度か着物で気軽に自転車に乗れないか試行錯誤をしていたが、どうしても着物の裾の処理の一手間が面倒で、結局着物の日は自転車に乗らない、自転車に乗る日は着物を着ない、というような状態になっていた。
なにも、着物で自転車に乗る必要なんて全くないし、極論を言えば着物で生活をする必要なんてないのだけれど、少なくとも私にとっては、着物を着ることが生活を豊かにしてくれる。たとえ、それが多少しんどいことであろうとも。だからこそ、できるだけ着続けられる工夫が必要で、自転車との両立についてもずっと模索していたのだ。

手作りの袴や腰紐によるしりっぱしょり、コーリンベルト、前掛け、着物クリップなどなど、着物で自転車に乗る人の情報は片っ端から調べたし、試したりもした。しかし、そのどれもが続かない。
理由としては、私自身が極度の面倒くさがりなのも大いにあるが、1番の要因は、私の自転車がいわゆるママチャリではなく、サドルとトップチューブが高い位置にあるスポーツタイプだからだろう。上記の方法では、手がかかるものは面倒で続かず、かと言ってお手軽なものはママチャリではうまく行ってもスポーツバイクではそうはいかないのだ。

いきなり自転車について長々と書いてしまったが、そういうわけで私はサルエルパンツに着物自転車への一縷の望みをかけたわけだ。袴と違って着脱が楽で、出先でのお手洗いも楽だし、着物の裾をしっかりと入れるからはだけたりチェーンに巻き込まれる心配もない。

着物の上からサルエルパンツを履いた


これなら、見た目も悪くないし、入れ込んだ裾がもたつかないし、動きやすい。そして、割と薄手の生地だから、これからの季節も暑すぎず良い塩梅だ。帯なしでこれを履いても良いだろう。
普段着物生活が、また一つ快適になりそうな予感がする。


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