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梅酒も梅干しも作らない梅仕事

梅の実をたくさんいただいた。正確に言うと、梅をくださいとお願いして、ご厚意により収穫させていただいたものだ。
畑の脇に植っている立派な梅の木の下に、脚立をお借りして、一つずつもいでいく。何せ土の上に脚立を置くのだから、平らな地面に慣れきっている、運動不足で運動音痴な私にはなかなかの危険度である。
とはいえ、大昔のことではあるが、木登りをして遊んだ経験もあるし、何より部活動でそこら辺の同級生よりは足が速い自信もあったから、昔取った杵柄でなんとかなった(足の速さとバランス感覚は全く別の問題だし、そもそもこれは15年前の話である)。
脚立というのは、設置して眺めてみる分には大して高さを感じないのだが、自分が登ってみるとなかなかの恐怖感が味わえる。1段登るだけで、いつもと全く違う世界が見えてくるし、3段も登ればもう地に足がつかないような不安定感に包まれる。

そんなわけで、カバンいっぱいに梅を採らせていただいて、ウキウキ気分で梅仕事をしている。帰り道、脚立に登ったことにより普段使わない筋肉を使ったせいか、足が攣りそうになったのはご愛嬌。


こんなに大きくて美しい!

こうして梅の実を眺めていると、桃の仲間なんだなあとしみじみと実感する。
もう少し置いておけば、きっと素晴らしい香りが立つのだろう。

我が家(というか完全なる私個人の趣味であるが)の梅仕事は、梅シロップの一択である。5年ほど前に梅酒を作ったのだが、よくよく考えなくても私はお酒を飲まないし、夫もビール派で甘い酒を好まないらしく、全く減らずに残っている。
その反省を生かし、その後は氷砂糖だけで漬ける梅シロップを毎年作っている。

酸味のある甘い飲み物は、単純に美味しいし、糖分が多いことにさえ目を瞑れば、酸味による疲労回復効果も望める、大変健康的なものだ。特に暑い季節なんかは、夏バテ防止に梅ジュースや赤シソジュースなんかが欠かせない。ポカリやアクエリアス、オーエスワン、その他おいしいジュースなんかも良いけれど、いかんせん財布に優しくない。自分で作るのが安上がりなのもあって、毎年梅が出回る時期に量産している。


味噌が満杯になっているビンがもう一つある

梅シロップを作るとなると、家中の瓶と呼べるものを総動員して、収穫してきた梅を全て漬けきらなければならない。数日ならば平気でも、放置していると腐ってしまう。
我が家にある果実酒用の瓶には、昨年秋に漬けた味噌が絶賛発酵(という名の放置)中である。
本当は味噌用のかめがあれば良いのだろうが、そんなものを置く場所はない。仕方がないので、春夏は梅シロップ、秋は味噌や柚子シロップを作ることにして、空き瓶が出ないように繰り回している。
味噌は、本来ならばもっと長期間漬けたほうが良いのだろうが、とりあえず味噌の味になっているから良しということで、写真の瓶を空にして使おうと思う。

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