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ビーチ・カントリー・マン・ダイアリー(11):「ビーサンの季節よ早く来い」

「1年365日、いつもビーサンだよ」という知り合いが何人かいるのですが、気温が15度を下まわると私にはビーサンは無理で、ニューバランスのランニング・シューズやUGGなどの温かいブーツを履いてしまいます。この冬は暖冬だったこともあり12月中ごろまでは、カフェタイムに浜辺へ行くときはビーサンでした。ただ、暖冬とはいえ冬は冬で、それ以降は玄関の靴棚にビーサンを押し込み眠らせることになりました。
 年が明けても寒い日々が訪れ、浜辺を真っ白に覆い尽くす大雪の日もありました。正月から梅の花の節分、桃の花のひな祭りも過ぎると、春一番が吹き、桜の花が待ち遠しくなり、平日午後なのに私服の高校生たちが街を歩きだします。
 春の三寒四温とはよく言ったもので、正午過ぎに気温15度を超えるようになると、我がビーサンの出番になります。デニムから綿パン、Tシャツにパーカー姿に着替え、玄関で靴下を脱いでビーサンを取り出して履くと、私の春が訪れます。
 10足あるビーサンから、先日買った葉山の「げんべい」のビーサンの鼻緒に足の指を通すと、私の春感が一気に増します。気温17度の晴れ渡った空と、キラキラ輝く海を眺め、足を伸ばしてみると今期初のビーサンが楽しげです。
 このビーサンですが、我が人生何十足ものビーサンに出会ってきましたが、鼻緒のところが痛いだの、底がイマイチしっくりこないだのと、なかなか良いビーサンとめぐり合うことができませんでした。いま、わが家には数足のビーサンがあり、この数十年に渡るビーサン選手権を勝ち残った9足のツワモノたちで、この冬に新たに参加したのが葉山にあるビーサンのお店、「ビーチサンダルのげんべい商店」で購入したビーサンです。オレンジ色のボディに青色の鼻緒のカラーリングに惹かれたのもありますが、ビーサン専門店なのできっと勝ち抜いてくれると思います。ちなみに現在トップに立っているビーサンは下田駅近くのスーパーで買ったadidasのもの。季節外れのセール品で500円ほどのバッタもの的なビーサンです。新型コロナ禍の真っ最中に下田あたりまで車中泊に行ったとき、気軽に脱ぎ履きできるビーサンが欲しくて、期待などまったくなく買ったのですが、これがなんと私の甲高扁平足の足にピタリと合い、ここ数年はビーサン選手権のトップを独走しています。
 さて、とはいえ、またまた明日から数日は冬日だそうで、1日限りのビーサン・デーとなりました。
 Tシャツに半パンにビーサンを履いて浜辺を散歩する日々は、あとひと月ほど待たねばなりません。それまでは、我慢我慢ですね。中嶋雷太

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