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マイ・ライフ・サイエンス(2)「ビッグバンのあっち側」

 以前、「生命は宇宙から来た」というパンスペルミア説の本を読んでいて「なるほどなぁ」と思ったことがあります。パンスペルミア説とは生物の起源になったものは宇宙から地球に到来したという仮説です。ま、半信半疑で頭の体操的に読んでいたのですが、はやぶさ2号が持ち帰った小惑星「りゅうぐう」の砂から、2022年に生命の素材となるアミノ酸が数十種類発見され、その可能性もあるとなってきたのが現在で、仮説をあれこれ考えることはとても大切だなと思っています。
 ただし、ちゃんとした論理的な思考ができず、ミステリアスなのが好きで適当に幻想を楽しむようなオカルト嗜好でのお話は仮説ではなくて違ったご趣味なので、このパンスペルミア説の仮説などとはまったく異なりますので気をつけたいものです。オカルトで遊ぶのは遊ぶで楽しいものなのは理解しております。
 以前、FacebookかTwitterでつぶやいたことがあるはずなのですが、約137億年前にビッグバンがあり今の宇宙ができたのですが、宇宙物理学などの専門家の方が描くビッグバンから現在に至る絵は、Googleなどで検索してみてもすべて釣鐘型というか漏斗型というか…分かりやすく言えば扇の要がビッグバンの点で、そこから扇型に宇宙は広がり続けているというものです。
 1970年代のこと、この絵を初めて見たときには「なるほど」と目を見張った気がするのですが、一方で何か引っかかりを感じました。その引っかかり、違和感が何だか直ぐには分からなかったので、そのまま放置していたのですが…。ある日、NHKだったか、宇宙の始まりのようなドキュメンタリー番組を見ていて、もちろんこの絵が当然のごとく使われていました。三つ子の魂のように、やはり昔抱いた違和感が黙々と湧き出してきました。「何だろう、この違和感は…」と考えているうちに、ハタとあることに気づきました。それは…。
 ビッグバン直前はあらゆる物質やエネルギーが一点に集まった超高温度で超高密度な状態だったはずで、それが爆発したわけです。爆発だから、その爆発は、学者の皆さんが描かれる(もちろん便宜的にでしょうが)釣鐘型・漏斗型・扇型の絵のように一方向だけに爆発したわけがないはずで、全球型に爆発したに違いないと、ハタと気づきました。
 すると、次の疑問がふつふつと湧き上がってきました。物質やエネルギーが爆発したとしてそれが美しい球体状に爆発するわけがなく、ギザギザと飛び散ったはず。ということはビッグバンで最初に外へと飛び散った物質やエネルギーは、いまこの宇宙の一番外にあるはずで、宇宙全体を見られたとして、宇宙はきっと美しい全球ではなくギザギザした球状をしているのではないかという疑問が湧き上がってきました。新聞紙を両手で適当に丸めたようなのが、私たちの宇宙の全体像に違いないというイメージです。さらにさらに、そうなると、この宇宙自体はかなりいびつに歪んでいるはず…。
 と、実はその後もどんどん疑問が溢れていて収拾がつかない状況です。例えば、ビッグバンが爆発して宇宙が広がっていくならば、広がる為の時空があらかじめ存在していたのではとか…。宇宙物理学者の方のなかには、そこは「無」だったとまるで禅宗の僧侶のようなことを唱える方もいらっしゃいますが、爆発とその後の宇宙を受け止める時空が存在しないなら、その爆発は一瞬で外へと広がり一瞬で宇宙は消えたのでは、とか…。
 さらに、ビッグバンの一点を中心として、ちょうど地球と正反対のあっち側には地球に似た星があるのかどうか(宇宙全体がいびつな型ならあるわけがありません)とか…。
 最近は、このビッグバンのあっち側がとても気になっていて、睡眠不足になりそうです。中嶋雷太 PS:今回、天気図の話をしようかと思ったのですが、次回にさせて頂きますね。ご了承くださいませ。

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