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「写真加工の匠」の功罪

写真加工の匠

 婚活がビジネスとして盛況な現代、写真館もフィルムの現像はすっかり無くなったものの、お見合い写真の撮影と加工に長けているお店は繁盛しているようです。

 いかにスマホのカメラの性能が良くなり、画像編集ソフトが高機能になったとしても、「自然な」加工を行うには素人とプロでは雲泥の差がありますからね。

 大阪市中央区、心斎橋にある某写真館。就職活動用の証明写真とお見合い写真の撮影で関西圏では高い実績を誇り、関西ローカルのワイドショーでも何度も取り上げられています。

 驚いたのが、あのガリガリガリクソン(お笑いタレント)が写った写真を、加工によりグラビアアイドル風の水着美女に作り替えてみせるほどの「写真加工の匠」がいらっしゃるそうです。そりゃあ繁盛するわな。

会う為に

 「写真加工の匠」の何がすごいかって、素人が頑張って編集した顔写真はいかにも編集した不自然さが残り不気味に見えることすらあるけど、匠の技は「自然に見える」と「最大限良く見える」が交差する最適解を的確に狙っていきますからね。

 そんなもん、写真をいくら上手く加工したからって、実際に会った時の落差が激しくてがっかりするだけちゃうん?と多くの人は疑問を抱くでしょうけど、その写真館と提携しているとある仲人の説明はそれなりに説得力がありました。

「結婚は結局、見た目ではなく相性。いくら見た目が好みでも、気が合わへんかったら一緒に暮らすのは苦痛にしかならん。それでも見た目が好みやなかったら会おうという気にもならんやろ?例え『写真と違うやん!』ってなったとして、話してみて気が合ったらそれで良えか、ってなるって。」

 それはまあ、そういうこともあるでしょう。

 それでもなお、合流した瞬間の「写真サギやん!」というがっかりした気持ちが尾を引くのもまた、否定できません。

「オッス!オラ、ニート!」は就職氷河期世代の僕は引きます。