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手料理で気を惹けるならむしろお手軽


「料理は女がするもの」なんてのは古いが利用することもできる

男性「得意料理は何ですか?」

女性「えっ…。(女は料理をするという前提での質問!?)」

 いまだによくあると聞きます。結婚したら料理(あるいは家事全般)は女性側がするものという前提で、どのくらいの家事能力を持っているかを確認しておきたいという男性側の質問。もはや就職の面接と変わりません。

 出会いの場は「男性から見た女性」「女性から見た男性」の需要を強く意識してしまう為に、旧来の「性別の役割」のようなものの枠から外れることに抵抗を感じさせてしまっている気がします。
(男性の場合は「男性が生活費を稼ぐべき」「男性がリードするべき」「男性が全額支払うべき」等)

 今回は料理に的をしぼってお話したいのですが、前述のような質問を受けた場合、真剣に活動している女性なら、お料理教室に通って料理の腕を上げなければいけない、とても美味しくて見栄えも良い料理を作れるようにならなければいけない、と思うかも知れません。

 でも私はそこまで頑張らなくて良いと思いますし、料理に限って言えば、料理で相手の気が惹けるならむしろお手軽だと思っています。

 cookpadの時短料理(手抜き料理)なんて最強です。家庭料理なんだからこういうので良い、むしろこういうのが食べたい、という人も多いのではないでしょうか。私個人の実感からしてもそう思います。

「冷蔵庫の残りものでパパッと作った料理」が最強

 漫画家・峰なゆかが「アラサーちゃん」(扶桑社)で鋭く指摘した通り、独身男性の心と胃袋をつかむ手料理はレストラン並みの手の込んだ料理でもなければ、家庭料理の定番のように言われていた「肉じゃが」でもなく、「冷蔵庫の残りものでパパッと作った料理」なのです。むしろそれで良いのです。

 仕事が毎日遅くて、食事は外食・インスタント食品や冷凍食品・買ってきた惣菜のいずれかで手早く口に押し込む、というような食生活を続けていると、素朴な手料理が優しい味わいで身体に沁みる、ということがあります。私自身そんなことがありました。

 ましてや自分のために作ってくれたなんて!という気持ちも上乗せされればしめたものです。ありあわせの物に調味料を加えて炒めるだけでこの効果!あえてこういう言い方をするなら、非常にコストパフォーマンスが高いと言えるのではないでしょうか。

 そしてこれは何も女性だけでなく、男性がやっても効果が高いと思います。むしろ、「料理男子」などと言われて珍しがられる今だからこそ、男性にとってはより効果的かも知れません。時が経ち、家庭で男性が料理をするのが当たり前な時代が訪れたら価値は相対的に下がります。

手料理の副次的な利点

お会計問題を回避できる

 これは私情ですが、「食事代は男性が払うべき?割り勘?」という議論が私は嫌いです。支払うのが嫌なのではありません。個人的にはむしろ気持ち良く支払いたいという考えですが、これがいまだに激しく議論され、一部の男性達がひどく批判されているのを見るのが嫌いです。そういう男性を好まないのは自由ですが男性側にも自身の価値観があるのでしょうから。

 その点において、手料理はそもそもお会計が無いから楽です(材料の買い物とかは当然ありますが)。その替わりにご馳走になる側はお酒やデザートなどの手みやげを持参する、「次は私が作るね!」と提案するなどで良好なコミュニケーションが繋がっていきます。

生理的な可否を測る基準にできる

 手料理というのはその名の通り、その人の手で作ったものを口に入れることです。特におにぎりはその人の手で握ったものです。

 目の前にいるその人が握ったおにぎりを食べることができるか?冷静に考えて抵抗を感じたのなら「生理的に無理」というやつです。

 食べたいです!と自然に手が伸びるくらいならその人とはうまくいくのではないでしょうか。

モラハラ気質な相手を察知できる

 貴方が作った料理を食べたお相手が「美味しいよ!」と言ってくれるのならお互い幸せです。

 一方で、出来は悪くないにも関わらず、「ちょっと味が濃くないかな?」「何だか脂っぽいなぁ」「色が悪くない?」などと、何を作っても否定的なことしか言われない場合は要注意です。

 これは相手の舌が肥えているというのではなくモラハラ気質の疑いがあります。この場合は慎重に見極めた上で、モラハラだと確定した場合はすみやかにその相手との関係を終わらせることをお勧めします。

根本的な制約

 一方で、手料理をふるまうことには根本的な制約があります。手料理を作ってその場で相手に食べさせようとするなら、原則、どちらかの家に行く必要があります。ですが既にある程度親密な関係になっていないと、どちらかの自宅で過ごすというのは抵抗を感じます。

 あるいはどこか調理場を使える場所を確保できれば良いのですが、コワーキングスペースを確保するのとは違ってなかなか簡単ではありません。

 お盆も明けてこれから秋が訪れます。行楽の秋に、お互いお弁当を作ってきてお出かけしてみてはいかがでしょうか。