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はたして「レシピ本」が必要なのか?問題

こんにちは!
おかげさまでこのご時世ではありますが、秋にレシピ本の出版予定がありまして。
今月は「レシピを完成させる」「撮影する」「原稿を書く」という事に集中しなければなりません(ある意味( ;∀;))

もともと「料理が得意」とか「大好き」というわけでもないので、結構な気合が必要な作業です。実際苦行でもあります。
そんな中、沸いては消え、消えては湧き上がる思いがあります。

そもそも料理って教科書通りじゃないよね

・・・と。
そうです、そもそも料理って「テキトー」につくればどうにかなる・・・という考えを持っています。

ところが、レシピ本は作り方を伝える本であり、同じように出来上がるための手引書であります。・・・今のところ。

したがって、「全部適量!」
は、カレンちゃんじゃない限り現時点ではなかなか許されない。

一旦作った料理から、材料を洗い出し、同じように作れるように工程を文字に落とし込む・・・その作業がずーーーっと続きます。

全部適量じゃダメかな・・・とまったくお門違いなことを思っている私が・・・です。

そんな私が密かに一石を投じているのは「全部同量」レシピの開発です。

それなら簡単でしょ、できるでしょ!って思いと同時に、
それで一回作って後はカスタマイズしてね!という私なりの優しさをぶち込んでいます。(乱暴ではなく、思いやりなんですよw)

さあ!奥さん!
計量地獄から解放されましょう!
的な。

そして果てしない作業

そのためにも、料理を一回完成させてそこから一旦分解して洗い出す、という結構果てしない作業が発生しています。

「えっと、塩は小さじ1なのか、ひとつまみでいいのか、適量じゃダメ?」
とか
「おっと!味が薄かったから醤油は追加したんだったよなぁ・・・」
など

「あの時、テキトーにやってしまったこと」をいちいち振り返らねばならなくて、それは結構疲れるものです。

毎度、メモもとらずテキトーに調理している自分をぶん殴ってやりたい気持ちを抱えながら。

そんなセルフ戦いでもある「料理逆算作業」を続け、日々過去の自分と向き合っていますw(なんだこのワークは!?)

そんな中、私、ふと思っちゃたんですよね・・・

ってか、レシピ本って読む??問題

そう、思っちゃたんです。そもそも・・・的に。
「これからの時代、レシピ本って必要??」と。

ええ、まさに時はオンライン化・動画配信の大波
テレビやSNSでいくらでも「てきぱきとした料理動画」を見ることができ
それをダウンロードして保存したり、スマホさえあれば出先や空き時間にどこでも見ることもできます。

今までもあったけど、コロナの勢いで一層「動画ワールド」がレベルアップしています。
そんな中「レシピ本って必要ですか?」問題が私の中で勃発したのです。
時はまさに、絶賛レシピ本のレシピを作りながら・・・です。(いまさら・・・)

ええ、いまさら唖然!!!です。今さらジローです!?

でも、私はレシピ本が好き

ちなみに私はレシピ本を「読む」ことが好きです。
もともと妄想癖があるので、文字になっていることを勝手に頭の中でビジュアル化することが好きなのです。
これは料理に限らずです。
なにも小説やエッセイだけでなく、私にとってはレシピ本も妄想の世界であり、ファンタジーです。

「へぇ、小麦粉と卵を混ぜた後にネギ入れるのか・・・」
「あとはフライパンを熱して焼けばいいのね・・・」
「ポン酢で食べるってあるけど、酢と胡椒でもイケるよね・・・」

などなど、寝る前にレシピ本をパラパラめくり、作り方をざっと妄想したり盛り付けや味付けのアレンジを考えてみたり・・・
そんな時間をゆったりと過ごすことが好きです。

同じ本を何度も読み直すと、その都度発見があります。
ちょっとややこしいレシピは数回読んでみると「なるほど」と急にすんなり腑に落ちることがあります。
そんな瞬間もまた楽しいのです。

きっと、私は料理作りが好きというより、妄想したことをカタチにしてみることが好きなんです。
そしてその妄想とは当然、あらかじめ映像化されていては余地がありません。
レシピ本をざっと眺めながら頭の中で思いついたことや、作り方の工程の文字を見てイメージしたいのですから。

これ、結構脳トレになりますよ!

本当にそう思ってます。
文字を読んで理解して、画像化して、そして実際に作業して、完成させてみる。
これすなわち「創作活動」です。
頭使います。カロリー消費します。トレーニングです。

その創作活動自体、私は楽しいと思っています。

それは決して、「ご飯まだ?」「明日のお弁当どうしよう」などという切羽詰まった義務感からの料理作りではなく。
「なんとなく作ってみたーーい❤」と・・・粘土の塊を見て子供が創り出すようなそんな感覚です。

文字を読んで料理を作る・・・というプレイ。
それが楽しい・・・という自分の「癖」。
それを発見しましたが、はたして万人がそうなんでしょうか?
こんな世の中になりましたが、まだレシピ本読みますか?

お楽しみ料理という新世界

時代は急激にかわりつつあります。
コロナに後押しされて、「料理」という分野に楽しみを見出した人が大勢いるナウ。
今までの「切羽詰まった料理」から「お楽しみ料理」という分野が広がり、たくさんのニューカマーがいらっしゃいました。
そんなワールドで、みんなが手引きとするのは「レシピ本」なんでしょうか?

いよいよ、動画でよくない?
時代にめっちゃ追い立てられて、私の疑問が大きくなりました。

やっぱり動画だよね?

考えた挙句、私の答えはそれでした。
実際私も料理動画をよく見るようになったこともあります。

ちなみに、単純に手順がわかりやすいということ以外にも、流れるような作業をただ見る・・・ということは楽しくもあります。

動画の方がさっくりと見れるし手っ取り早い。
作り方も間違わないし、わかりやすいじゃん!
そう思ったのです。
元も子もありませんけど・・・

そんな世紀の大発見!
それを息子とご飯を食べているときにポロリと口にしました。

「レシピ本書いていて思ったんだけど、料理作る時ってもうレシピ本読まないんじゃないかなぁ」

そしたら息子より、若干くい気味にご意見を頂戴しました。

「それは料理ができる人の発想だよ!」

「ざっと動画で手順を見て、全体がイメージできる人は動画でよし」
「でも、得意じゃなかったり初心者にとって動画は難しい」
「え!今何入れた?」「さっき混ぜたやつはどした?」など

いちいち「停止」「巻き戻し」「スクショをとって見直し」などなど意外と「置いてけぼり」になるんだそうです。

なーーーるほど!!
さっそく目から少しだけうろこ落としました。目ヤニサイズです。

映画と小説が違うように
料理動画とレシピ本も違うのか!
(え?例えが違う??)

ま、大きな意味ではそういうことかもしれません。
立ち止まれる、見直せる、確認しながら次に進める。
そして単純に読み物として味わえて楽しい。(これは私の感想)

だからレシピ本は不滅なんだと思いました。
当然、今までの王道とは形を変えるかもしれないけれども。

それを発見して、私はまた「料理の材料を洗い出す」「作り方を文章に落とし込む」という苦行に立ち向かう決心をしたのでありました。
(くじけガチ・・・)

でも、本当はこんなレシピ本が作りたいんですよ

そしてなんでも可能なら、私は「自分で作り上げるレシピ本」が作りたいって思っているのです。
そりゃあもう、ページを開いて、
「え?これだけ?」ってビックリするような余白だらけの本。

手にした人が自分で作り上げていく「カスタマイズレシピ本」です。

なぜなら、料理において「ちょっとしたメモ重要説」

というのも・・・

私にとっての醤油大さじ1が、必ずしも食べる人の「ちょうどいい」とは限らない。

実際作ってみたら、
「最後の塩いらなかったな」とか
「鷹の爪倍量でいこう!」など
「好みに照らし合わせた発見」は必ずあるものです。

だから、ベースとなるレシピに自由に書き込んで、それがオンリーワンレシピ本となって、なんなら家族で受け継いでいく・・・
ちょっと素敵臭しませんか?匂いますよね!!

でもね、採用されないんですよ、コレが!

これ、編集者に何度か提案したものの、結局色よい返事をいただけず。
結構ゴリゴリのレシピ本という着地点に立っております。

昨今の出版業界、私のような弱小著者にそこまで投資して下さるのは難しいのです。
なぜなら、このご時世の出版業界において大事なことは「出せばそこそこ売れる」ということ。
当然、それを担保されている「フォロワー**十万人のインフルエンサー」でもない一般人に、そこまで投資する判断は難しいのでしょう。

「めっちゃいい企画」というホルダーがあります

それでも私は絶対にイケる!と思っているので「いつか出したい本」の企画書ファイルのなかにしっかり入ってます。
私のパソコンの中には「めっちゃいい企画」というホルダーがあります。

そしてここ数年、本の企画を考えるたびに、この「自分で作るレシピ本」のアイデアに戻ります。
当然その本のビジュアルイメージだって妄想完成形があります。

したがって、これは来年の目標に。

ということで今年はレシピ本1冊、そうじゃない本1冊を出します。

レシピを書くことは苦行ですが、思いを文字にする文章を書くことは大好きです。考えてみればそんな貴重な機会を私に与えて下さり、感謝です。

レシピじゃなくて早く文章が書きたい。
レシピを仕上げ、撮影を終えたい・・・そんなナウです。


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