小1息子が教えてくれた大事なこと
幼稚園の頃から先生に「むすこくんはダントツで優しいです!」とお墨付きを貰っていたほどに息子は優しい子に育っていた。
ただ、息子は優しかったかもしれないが、同時にとても弱い面もあり、そして、私から見ても息子は間違いなくやおかった。
おともだちが「オマエ」とか「コノヤロウ」とか男の子特有の言葉を使い出しても息子はそういった言葉を嫌い、全く使おうとしなかった。
それは幼稚園では先生も居るし、基本的に公園でも親が監督していれば全く問題はなかったが、一年生ともなると、監督することわけにもいかないし、人数も大幅に増えるわけで、やっぱりと言っては息子に申し訳ないが、やっぱり、絶対にやり返さない息子はある男の子にちょっかいを出されるようになった。
息子が「いつも〇〇くんが、叩いてくるんだ。何もしていないのに」と言ってきたとき、私は「息子は嫌かもしれないけど、エスカレートしてはいけないし、思い切ってやりかえしてみたら?」と言った。
もう、小学生になったし、ここで親が介入してはいけないと思ったし、ちゃんとやり返さないとまたエスカレートしてしまうと思った。
でも息子はやっぱり「やり返すのはいやだ」と言った。
幼稚園がキリスト教だったからか、元々持っている優しさ、やおさから来るものなのか。
「じゃあ、強めにやめろや!って言ってみたら?」
「やめて!って言ってるよ」
「やめて!じゃなくて、やめろやコラ!!とかさぁ」
「それはいやだ!」
うーん。息子はすーさんのように優しいし、そして頑固者だった。
「じゃあ先生に言うしかないね!」
「うーん。とりあえず明日話してみる」
その日はそんな会話をした。
そんな頑固にならずに、もっと威嚇みたいな言い方の一つでも出来ればいいのになぁ。と心底思ったが、次の日帰ってきた息子の顔は実に清々しいものだった。
「ただいま!ママ!解決したよ!!」
「おかえり!解決?どういうこと?」
「あのね、おれ、〇〇くんと友達になることにした!」
「え?!」
「友達になろ!って言ったんだ!そしたらいいよ!って。友達になればいじめてこないでしょ。」
目からウロコとはこのことか…息子は私の想像の斜め上どころか、空の彼方の向こう側のような発想で問題を解決してきたのだった。
「すごいね!でも、息子はそれでよかったの?」
「うん!もう友達だから!叩かれたのも忘れた!」
泣き虫で弱虫だった息子はいつしか一人で問題を解決出来るように成長していたんだな、しかも私が絶対思いつかない最良の方法で。
息子に大事なことを教えてもらったような嬉しい気持ちになったことを今でも覚えている。
そんな息子も今では5年生。
あんなに嫌がっていた汚い言葉遣いも軽快に操り、しっかりと悪ガキに育っていることはここだけの秘密である。
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