1時間

1時間あれば何が出来るだろう？
あなたなら、何をしたいと思うだろう？

私は1時間でエッセイを書き上げられるようになりたい。その願いを叶えるために今日は1時間のタイマーをかけて、このエッセイを書いている。残り56分。

月水金エッセイマガジン「クラゲノコトワリ」を始めると決めて今月から週に3度エッセイを書いているのだが、エッセイを書くのに私は何時間もスマホを握りしめている。長い時には、5時間近くひたすら文章を書いている。

自分の気持ちを整理しながら、文章の構成を考えながら、ひとつひとつ言葉を選んでいると時間がみるみるうちに溶けていく。残り41分。

「あ、もうすぐ0時になってしまう、投稿日が終わってしまう」とまるでシンデレラのように時間に追われ日々文章を書いているのだが、エッセイを書くのに時間がかかりすぎている。

これは、由々しき問題だ。

その問題を解決するために、今日は1時間のタイマーをかけエッセイを書いているのが、タイマーをかけると余計に焦ってしまって上手く文章がまとまらない。残り30分。

私はエッセイを書き始めると、トイレとタバコを吸う以外に何にも出来なくなってしまう。文章以外にやらなきゃいけないことは山積みなのに、”月水金エッセイを投稿する”という自分との約束を守るために必死で文章を構築しているのは、週に3度エッセイを書くのは、5つの理由があるから。残り22分。

1つ、文章を書くこと自体に慣れるため。
2つ、作品を増やしていくため。
3つ、作品を求めてくださる方と出会うため。
4つ、継続した記録を残すため。
5つ、自分の目標を叶えるため。


文章を書かないことには、私の夢である「文章を書くことを仕事にする」なんてことはただの寝言になってしまうから、私が何が出来るのか、何をしてきたのか、何を思い考えているのか、文章を書くことで日々積み重ねていく。

それなのにそのことが問題になるなんて、由々しき問題以外の何もんでもない。残り14分。

夢を叶えるために行動する私は、一人娘を抱えるシングルマザーでもある。家事に育児にその他もろもろ。生活をする為にしなくてはいけないことは沢山あって、文章だけを書いていたらいいわけではないから作業効率を上げなくちゃいけない。そこで考えたのが、1時間トライ。

1時間でエッセイを書けるようになれば、 家事育児はもちろんのこと、小説の構想を考える時間が出来たり、もっと本も読む時間も出来て言葉の引き出しも増えるし、どうすればもっとたくさんの方に読んでいただけるかを考え、行動に移していけるようにもなる。残り6分。

しかし、今の私には1時間ではここまでの文章しか書けないようだ。悔しい。

感情を動かす文章を書きたいのに、上手く気持ちを言葉にしたいのに、もっともっと早く言語化出来るようになりたいのに、悔しくて仕方ない。残り3分。

1時間、60分、3600 秒。
私達は、何が出来るのだろう？

1時間あれば、あなたなら何をする？
1時間で成し遂げたいことはありますか？

残り0分。ピピピ…ピピピ…
タイムオーバーだ。