「ちゃんとする」の呪い
長女が次女に向かって指摘する。
「ちゃんとしてよ!!」
「ちゃんとして」は聞き捨てならない。
我が家では「ちゃんとして」禁止令を出しているのに!
(私が勝手に発令しているだけですが・・・)
「ちゃんとして」じゃなくて、具体的にどうしてほしいのかを言うこと!
それを面倒がって「ちゃんとして」と言う便利な言葉を多用していたらろくなことにならなかった経験があるから。
ろくなことどころか、自分を相当苦しめた呪いの言葉が「ちゃんとして」「ちゃんとする」でした。
今日は「ちゃんとして」禁止令を発令するに至った経緯を書きます。
私はもう本当に小さい頃から、人からの評価を気にする子どもでした。人からどう思われるか気になりすぎて、自分の思ったように行動できない、話せない。クラスメイトに自分から話しかけるとしても葛藤の末だったし、自分が言ったことを後から気に病んだり、友達の何気ない一言が心に突き刺さったり、悩みの大半はそこだったと思います。
そんな時期を長いこと過ごしてきて、仕事し出していよいよ心がいっぱいいっぱいになって・・・今のメソッドの師匠を見つけたのが31才のとき。
師匠の力を借りて、人からどう思われるか気になるを紐解いていくと、「ちゃんとしてない」と思われるのではないか、そうしたら馬鹿にされるのではないか、という恐怖でした。
そして、
「ちゃんとしてないって具体的にどういうことですか?」
って、聞いてくれたのです。
出てきませんでした。それまで考えてもみなかったことでした。
私の中で実態のはっきりしない、「ちゃんとする」に、ずーっと苦しめられてきたことがわかりました。
これをきっかけに、私にとっての「ちゃんとする」ってどういうことだろう?と、言語化することを始めたんです。すごくいっぱいありそうと思ったけれど、出てきたのは5個くらいでした。
どうしてそんなに「ちゃんとする」が頭を締めているのかもわかりました。
母の口癖が「ちゃんとしなきゃ!」だったんです。自分自身によく言い聞かせていました。もちろん、私たち子どもにも、「ちゃんとして〜!」と言っていました。そして母は全然ちゃんとしてなかったので、私たちはよく母に「ちゃんとしてよ!」と言っていました。
その辺まで紐解けた上で、「ちゃんとしなければいけない」ではなくって、例えば「礼儀正しくマナーがなっていないといけない」と、置き換えた上で、一つ一つ正当性を検証していくことを続けた結果・・・
「ちゃんとしなければならない」は頭の中でものすごく薄まって、かなりちゃんと(笑)してない私が幅をきかせるようになりました。
それでも、恐怖がなくなったので、以前よりはかなりちゃんと(笑)できてると思います。
・・・というわけで、「ちゃんとする」という言葉には何の罪もないけれど、使い方次第では自分を苦しめることにつながった経験から、
子どもたちに無意識に使って欲しくなくって、頭を使って考えるための「ちゃんとして」禁止令なのでした。
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