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むっつり瞑想ヲタクの私が50人の坐る母親集団の部長になった話|私のアップデート

この記事は母親アップデートコミュニティ公式のアドベントカレンダー「私のアップデート2020」の記事です。

母親アップデートコミュニティ(略称HUC)は「誰も否定しない」という神ルールのもと集まった母親集団だ。

2020年の私は、まさしくアップデート祭り。全部書いてたらキリがないから、HUCでの活動の中で、私にとって最もスペシャルだったマインドフルネス部の立ち上げについて書きたいと思う。

むっつり瞑想ヲタクだった私

瞑想は私の長年の趣味だ。「趣味」という言葉で良いのか迷うところではある。正確に表現しようとすると、私は自己探求がライフワークだと思っていて、瞑想はそのためのツールである。私にとって自己探求は、立派になりたいからやるのではなく、能力を得たいからやるのではなく、シンプルに人生の不思議に対する冒険だ。ジョージ・マロリーの「そこに山があるから」感覚、すなわち「ここに私がいるから」…なーんて、かっこよく言っちゃったり笑 つまりのところは自分ヲタクだ。

瞑想が良い、ということが言われて久しい。しかしまだまだアヤシイ世界というイメージや、逆に物凄く意識高い系イメージを持たれることも多いように思う。そのようなイメージを持たれるのが居心地悪く、特に助産師を志してからは現代科学への背徳者だと思われるのも嫌なので、ひたすらむっつりと坐ってきた。

一方で助産師として、妊娠・出産・育児に苦しむお母さんを見ていて、「坐れば変わるかもしれない…」と思うことが多々あり、「いつかお母さん達に瞑想を伝えたい」というのが、密かな夢だった。

おひとりさまの限界

がらりと変わったのは緊急事態宣言中。魔の2歳児と小学校に入学出来ない6歳児を家で見なければいけなくなった。開業してすぐ、色々事業を拡大して行きたい時だが、もちろん仕事なんて出来ない。そして大切にしていた、毎朝の瞑想の時間さえ取れなくなってしまった。これまでのやり方の限界が見えていた。もがいて、もがいて、本当に苦しい時だった。

溺れる前になんとか掴んだもの

そんな時に立て続けに、マインドフルネスのオンラインイベント情報が入って来た。ひとつがHUC(入ったばかりだった)のまきちゃんのマインドフルネス体験会、もうひとつは産婦人科医の丹家歩先生の「おうちマインドフルネス」だ。もちろん藁をも掴む気持ちで参加した。

まきちゃんの瞑想会では二つの驚きがあった。ひとつは身体を動かすということ。それまで身体を動かすタイプの瞑想をあまりしてこなかったが、身体を意識しながら動かすことで、ここまで深く入れるのかと驚いた。もうひとつは、HUCメンバーのマインドフルネスに対する関心の高さ。早朝朝6時に瞑想するために集まる多様なバックグラウンドを持つ母親集団…聞いたことがない。

そして歩先生の方は、何週かの連続講座。昼間だったので、後ろで子どもたちがやんやとやっている中で参加した。マインドフルネスの基本的な考え方の紹介や瞑想法の実践があり、内容の濃いものだった。

最終日の質疑応答の時間、まだまだ苦しかった私はチャットに書き込んだ。正確な文章は覚えてないが、「緊急事態宣言で子ども2人を在宅でみていて、仕事ができず、これまで大切にしていた瞑想の時間さえとれずになって辛い」といった趣旨だった。

それを見て歩先生がかけてくれたのは、「呼吸に意識を向けるだけでもいい」という言葉だった。その他の参加者の皆さんも色々書き込みをしてくださった。状況に溺れそうになっていた私の心に、その言葉のあたたかさが染み入った。

変化への適応不全と新たな気づき

突然だけど先日テレビで観たクラゲの話に例えさせて欲しい。

海を泳ぐあのクラゲだ。

クラゲは有性生殖と無性生殖の両方が出来るそうだ。有性生殖は雌や雄が出会い交わる必要があり能率が悪い。無性生殖は好きな時に好きな場所で好きなだけ(…か、は知らないが笑)子を作ることが出来る。ではなぜクラゲは有性生殖をすのか…。言うまでもなく多様性獲得による変化への適応力を求めて、である。

リスクを侵し有性生殖をするクラゲさんが遠い海にフワフワ漂っていく映像を思い出す。

コロナ禍における私の苦しみは、まさしく変化への適応不全状態だった。そこから抜け出せたのは、1人であることをやめ、他の人と交わったからだ。

フワフワと、広い海へ、私は漂い始めた。

やりたいことは今やって良くない?

そこからマインドフルネスについて、人から学ぶ、ということを始めた。もっと深めたくてMBSRの講師プログラムにも申し込んだ。交わる度に起こる化学反応の楽しさ、豊かさ、美しさに心が震えた。

そんなある日、「いつかお母さん達に瞑想を伝えたい」何年か先、あるいは10年20年先と思っていた夢を、別に先延ばしにしなくても良いんじゃないかと、ふと思った。先延ばしにする必要はあるのか?私が教えようとするから、出来ないんじゃない?共に学ぶということでも伝えられるんじゃない??講座を受けた時の一時的な集まりだけではなく、長期的に共に坐る仲間が欲しいと思っていることにも気づいた。やりたいことは今やっても良くない???

いろんな不安はあったが、心はGOと言っていた。それが出来る場所はHUCしか思いつかなかった。そうして手をあげると、あっという間に10人、20人と集まり、副部長を快く引き受けてくれたヤリ手のまきちゃんのおかげで、NewsPicksのWEEKLY OCHIAIにご出演された山下良道先生を招いてのキックオフイベントもトントン拍子で開催決定した。今や部員は50人近くとなった。むっつり瞑想オタクの私が…(ry

次にあらわれるブッダは「つながり」?

「私は、次にあらわれるブッダは、絶対に個人ではないと思っています。それはサンガです。ひとりのブッダだけでは足りないからです。そして私たちが、サンガになるのです。」
「人間性を分かち合う気持ちと、自分の喜びを育てることを共有するために集まりましょう。サンガとしてともに微笑み、歌い、力を合わせて取り組むことに、喜びを感じましょう。」

—『怖れ: 心の嵐を乗り越える深い智慧』ティク・ナット・ハン著
https://a.co/36A8TeJ

これを読んで痺れた。

サンガとはマインドフルネスを共に実践するコミュニティのことだ。

これまでのやり方では上手く行かなくなったとき、人との交わりによって新たなものが生み出される。「交わり」とは「つながり」であり「サンガ」だ。

人間性を分かち合い、自分の喜びを育て、共に微笑み、歌い、力を合わせて取り組む…これはまさしくHUCだと思うのは私だけだろうか。

コロナ禍を終えたそのとき、このようなコミュニティの力がより必要とされる時代になっていると思う。

私のアップデート

むっつり瞑想ヲタクの私が50人の坐る母親集団の部長になったことで、おひとりさまを卒業して、つながりの中に身を置き始めた。

「つながり」
これこそが私のアップデート。

私とつながりを持ってくれた全ての人に、ありがとう。

そして来年も、よろしくお願いします♪




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