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ラッキー家族、爆速で家を買う~アンチ戸建が決めたワケ~/その1

先月書いた記事の最後に、"先日夫が「家族が増えるたびに真人間のようになっていく」とTwitterに呟いて"いたと書きました。

そう言わしめる要因の代表格が、すぐそこに迫る我が家の転機、タイトルのとおりです。

そう、家を買おうとしています。

なんでもそうですが、家に対する価値観、捉え方というのも、人それぞれだと思います。
私は自分の経験から、家を所有したい気持ちが、ゼロ、どころか、マイナスでした。
ほんの、ひと月前まで。

家なんて買うもんじゃない、
常にそのときそのとき、都合の良い場所に、都合の良い間取りの賃貸を見つけて住んでいけばいいじゃないか。
身軽が何より。私、引越し好きだし。

そう思っていたのです。

物心ついたとき、私はいわゆる団地に暮らしていました。
私の家はアパートの4階でした。

父、母、妹、私の4人家族。
玄関を入ると左側に洗面所、トイレ、お風呂(シャワー無し)。
正面にドアがあり、開けて左側に台所、奥に和室、右側に居間と、もうひとつ和室。
小学校6年生の夏まで、そこで暮らしていました。

隣町に家を建てて引っ越すことになり、私は「転校生」という立場に、アニメや漫画の影響で憧れがあったので、密かにワクワクしていました。

家を建てるにあたり、両親はあれやこれや、相談なのか喧嘩なのか、子どもにはわかるようなわからないようなことをよく話していました。

雰囲気はまったく良くありませんでした。
そんなにイライラしながら考えなきゃいけないものだろうか、新しい家のことを考えるのに、どうしてふたりともそんなに疲れているんだろう。

夫婦と言えど他人ですから、恐らく人生で最も大きな買い物を前に、価値観を擦り合わせる必要が出てきたものの、擦り合わせどころか摩擦になっていたのかも知れません。

当時、父は42歳、母は41歳。
今の私たち夫婦が39歳と38歳で、息子二人なので、状況は似ています。

相手に自分の価値観を押し付けず、譲れるところは譲り合って、譲れなくても理解はして、なんとかお互いに優しく折り合いをつけて暮らしていくことを、今の私は一番望んでいます。

家族で喧嘩しないで、ニコニコほのぼの過ごしていきたいので、その妨げになるような自分だけの望みがもし浮き彫りになったら、引っ込めることも辞さないつもりです。

夫婦喧嘩を子どもに見せるのは良くないと聞いたことがありますが、私は母が父に、父が母に、怒鳴ったり、くどくど文句を言ったり、説教(?)したり、いずれにせよ相手の話をじっくり聞かず、一方的に気が済むまで言いたいことを言う様子を頻繁に見ました。

それは家を建てることになったあたりから特に、そして引越してからも続きました。

家を建て、引っ越したことが、両親の喧嘩が増えた直接の要因ではないかも知れないけれど、ワクワクしていたはずの新しい生活が、今でも、暗くてヒリヒリした影をまとう記憶となっています。

家を建てるとなると、大きな金額が動きます。
土地、業者、間取り、決めることがたくさんあります。
仕事、家事、育児、普段の生活を回しながら。
子どものころのように、ワクワクすることばかりではないはず。

一言でいうと、めんどくさい!

そして、それだけめんどくさいことをどうにかクリアしたとしても、恐らく、自分たちにとっての100点の家にはならないのです。

家を建てるプロでもなんでもない私たちが、あれやこれやリクエストをして、様々なプロが代わりに形にしてくれるものが、実際に住んでみて期待通り100点になるなんて思えません。

きっと住みながら、あれやこれや不満が出てきます。
そのたびに「だからあのとき、ああ言ったのに」「そんなこと言ったか?」言った言わないみたいな話になったり、でも自分たちでイチから考えたんだし、住めないわけじゃないんだから、我慢しながら暮らしていくしかないでしょ、なんて誤魔化したりするんです。

ああ、やだやだ。

だから家なんて建てるもんじゃない。
持つもんじゃない。
所有欲ゼロ。むしろマイナス。

アンチ戸建!

誰かが用意してくれた賃貸の間取りに、
アリモノに、
自分たちの暮らしを合わせていけばいい。
家だってサブスクでいい。
不便になったら引っ越せばいい。

たとえば、これから子供が大きくなってきて、もし学校でいじめられたりしたら、さくっと別の学区に引越して回避!とかとか。

身軽がいい。変えられるっていい。

先月、
1月12日の朝まで、
そう思っていました。

つづく。

***

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

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