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新幹線で食べる弁当は「弁松」と決めている。

実家には東京駅から新幹線で帰省する。
いつも東京駅でお弁当を買って、新幹線の中で食べることが多い。
これまでの定番は、「えび千両ちらし」だった。

しかし最近は「弁松」一択である。

「弁松」とは、日本橋の「弁松総本店」から出ているお弁当。
日本最古の仕出し弁当と呼ばれている。

一昨年、ほぼ日の塾がきっかけで弁松に出会い、その魅力の虜になった。
それ以来、新幹線の中で食べるお弁当は「弁松」と決めている。

なぜ、新幹線の中では「弁松」を食べたいのか。
このnoteではその理由を述べたいと思う。

まず、蓋を開けたときの森のかおり。
なんといってもお弁当は、開ける瞬間が一番楽しい。
弁松のお弁当箱には経木を使っていて、
お弁当箱を開ける瞬間にふわりと森の香りがする。
プラスチック容器に入ったお弁当ではなかなか感じられない。
香りのおかげで、お弁当を食べる喜びが倍になる。
ふたや折の底についたごはんをこそぎ取るのも楽しい。

次に、見た目の美しさ。
卵焼き、魚の照り焼き、生姜の辛煮、野菜の甘煮
豆きんとん。これらがきれいに箱庭に詰められていて、
その美しさは特別感を感じる。

そして、何と言っても弁松の「濃ゆい味」。
味が薄くてヘルシーなものを良しとされる昨今、
弁松の味は、とにかく濃い。そして甘い。
どのぐらい砂糖を使っているのかを考えるとちょっと怖い。

この味の理由は、
「もともと日持ちさせるため」
「肉体労働に耐えられるようカロリーを高くするため」
「砂糖が高価な時代に江戸っ子は見栄を張って沢山入れた」
「江戸っ子は中途半端な味ではなくはっきりとした味を好んだ」
などと言われているそう。

しかし、大型連休や年末などに実家に帰るときは
連休前でたいてい仕事でクタクタになっていて、
その濃い味が自分を労っている気がするのだ。

弁松は東京駅の大丸で売っている。
ぜひ多くの人に、新幹線のお供としての魅力を知ってもらえたらうれしいな、と思う。



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