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高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)を受けてよかったこと

こんにちは。キャリアコンサルタントの清野です。
今回はタイトルの通り、高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)のことを書こうと思います。
私が受験したのは14年ほど前の話になりますが、受けた理由や活用に関して少しでも参考になる箇所があれば幸いです。

※試験日程や出題範囲、申し込み方法など詳細は触れません。高卒認定試験について詳しく知りたい方は文部科学省のHPを確認ください。(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/


高卒認定試験とは

正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」

略称で「高卒認定」とか「高卒認定試験」と呼ばれることも多い、文部科学省が実施している国の試験となります。
20年前までは「大検(大学入学資格検定)」という名称だったため、そちらの方が馴染みやすい方もいらっしゃるかもしれません。

合格に必要な科目は全部で8~9科目

受験自体は16歳になる年度(=高1の代)から受験が可能で、選択する科目によって8~9科目の合格が必要となります。
今年度から試験科目が変更になり出題範囲も変わっているようです。
※詳しくは文部科学省の公式HPを確認ください。

あくまで学力の認定試験であり、高卒資格ではない

高卒認定試験に合格をすると、高卒と同等以上の学力があると認められ、大学や専門学校の入学試験を受ける権利が得られます。
※16歳で合格しても、入学試験に受験できるのは18歳になる年度からです。

ただし、実際に学校(高等学校)を卒業しているわけではないので、学歴としては高卒ではなく中卒のままです。

わたしが高卒認定試験を受けた理由

高校に在籍しながら受けられた

私は高校1年生の冬に発症した白血病での長期入院のため、休学を経験しています。
高卒認定の存在は治療中にインターネットで見つけたのですが、全日制高等学校等の在籍者(=休学中)も受験資格があることを知りました。
高校を辞めなくても受けられるなら、試験に落ちたとしても私にデメリットはないと思いました。

合格しても高校を辞めなくてもいい

合格をしても高卒という扱いにはならないので、そのままその資格を活用せずに高校に通い、卒業することも可能です。
※高校卒業した人が高卒認定を受けるのは出来ません。

そのため、合格したのちにその資格を活かして大学受験をするか。それとも、治療終了後に復学して高校をしっかり卒業してから大学受験をするか。を考えることができるのも、私にとってはメリットでしかありませんでした。

科目免除で1回の受験での合格見込みが近かった

高校の単位があれば、受験科目を免除することができます。
私は1年の終わりから休学をしていましたが、2年生に進級はしていたので、1年生で取得した単位が免除に使えました。私は商業科だったこともあり、1年生で取得していた普通科目の単位が少なかったのですが、それでも4教科くらいは免除できた気がします。
そのため受験科目が少なく、治療中でも1回の受験で合格を狙えると考えました。

勉強と受験

参考書を購入し、自宅学習

学習方法については、高卒認定試験の過去問(全教科が1冊にまとまっているもの)を購入して学習しました。特に苦手な科目は、高卒認定試験に特化しているものではなく、汎用的なものを追加で購入していました。
休学中は家か病院かのいずれかで、当時は学習にYouTubeなど動画を活用するというのはまだまだ一般的ではなかった(と思う)ので、体調が安定しているときに参考書や過去問で対策をしていました。

老若男女問わず、多くの受験生がいる

受験会場には2日間ともに年齢・性別問わず多くの受験者が会場にいて、驚いたのを記憶しています。というのも、正直、病気をしなければ高卒認定試験の存在を当時は知らずに過ごしていたと思いますし、参考書も本屋には中身を選択する余地がないほど置いている種類が少なかったからです。
失礼ながら、当日の会場をみて、こんなに受験する人がいる(認知されている)試験なんだと思いました。
昔から英検だったり商業資格に挑戦をしていたのもあり、緊張はあるものの会場の雰囲気に飲み込まれるというようなことはなく受験はできました。

高卒認定試験の合格後

合格から数か月後に高校中退を選択

当時8月に受けた高卒認定試験の合格が分かってから、退学か復学かを決断するまでは数か月かかりました。順調にいけば治療もあと数か月で終了で、次の春からは復学ができる見込みがあったからです。
受験したのが18歳の代(同級生が高3)ということもあり、すぐに大学受験ができる資格を手にしたものの、残り数か月で大学に合格できるほどの学力を持っていないことも分かっていましたし、浪人生として1年勉強をして大学に合格できる保証もありません。
2年浪人して大学に入学するのと、復学して2年遅れで高校卒業して大学に入学するのとは時間でみると変わらないので、1年で大学合格できないのであれば、高校に通うことも一つであると思っていたからです。
それでも、1年浪人生活を頑張って1年遅れで大学入学ができる可能性があるなら、そちらにかけたいと思い中退を選択します。

大学に進学、就活の履歴書では学歴欄に高校中退・資格欄に高卒認定試験を記載

高卒認定資格を取得してから半年後の春、予備校の浪人コースに入学し大学受験に向けて一から勉強を開始しました。高卒認定試験で勉強していたとはいえ、高卒認定試験の内容は基礎的なものが多く大学受験の模試では散々な結果でしたが、最終的には無事大学に合格し入学をしました。
その後は大学生活を送り、就職活動を経て卒業・就職をします。就職活動時の履歴書について、あくまで高卒認定試験は学歴扱いにはならないため、学歴欄は△△高等学校中途退学、資格欄に高等学校卒業程度認定試験と記載をして就活しました。ここを深く突っ込まれることはあまりなかったです。

おわりに

誰でも受けた方が良い試験というわけではない

高卒認定試験を受けるかどうかは、どう活用したいかによって変わります。
高校生活そのものを楽しめていたり、何か目標に向かって頑張って通学をしているのであれば、一度きりしかない高校生活を十二分に謳歌してほしいです。

また、高校在籍中でも受験できるとはいえ、科目免除をする場合には、高校側に単位取得の証明書を出してもらう必要があるので、高校側も受験することが分かります。
(全教科受験するなら知られずに受験できるかもしれませんが・・)
合格しても活用する可能性が低いのであれば、むやみに受験する必要はないと思います。

私は高卒認定試験のおかげで選択肢が広がった

元々、治療により休学をしたこともあり、「2年遅れて卒業か・・」と同級生から遅れてしまうことに焦りを感じていました。その中で、「高卒認定試験というものがあり、それがあれば高校卒業していなくても大学受験ができる」という情報を得たことで、「2年遅れずに大学進学できるかも」という考えができました。
さらに調べる中で在籍中の受験が可能で、合格しても高校中退が必須ではないことを知り、この資格を取ることで自身の選択可能性が広がると感じました。

治療だけしていた私にとって、受験を決めたことで目標ができたのも一つ気分の切り替えになっていたんじゃないかと思います。
そういった当時のモチベーション維持なども含めて、いろんな面から私自身は高卒認定試験を受けて良かったです。

最後までお読みいただきありがとうございました🌸

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