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HSPである父とそうではない母の狭間で

私は、自分がHSPであると確信を得てから、父と母にHSPに関する本を何冊か渡して読んでもらったことがあります。

父「自分に当てはまる」

母「自分には全然当てはまらない」

というコメントをもらいました。

幼少期の頃から、父と母は頻繁に喧嘩をしていました。とにかく、意見が合わないことが多いのです。お互いゆずらない性格なので、口喧嘩の先には、「もう出ていく」とか「別れる」なんていう話も良く出ていました。幼い頃の私は、布団に潜り込んでブルブル震えながら口喧嘩の行く末を想像しては恐怖と不安と悲しみに打ちひしがれていました。

父の繊細な感覚が理解できない母と、母のそのような無理解を理解できない父。常に根本の原因はそこで、平行線。2人の血を受け継いでいる私は「どちらの言うこともわかる」という狭間で、どちらの味方にもつけずに、ただだた静かに争いがおさまるのを待つしかありませんでした。

このような状況でも今も別れずに一緒にいるので、結局は、お互い無いものを補い合って上手く生活できているのでそれはそれで良かったなと安堵してはいるのですが、「できれば、お互いの違いを尊重しながらもう少し穏やかな夫婦関係を維持してもらいたかったな」と思うのです。

時はもう戻せないので、過ぎ去った過去を変えることはできません。でも、より多くの人が「お互いの個性を尊重して、調和しながら共に暮らすこと」ができれば、多くの人間関係、夫婦関係、親子関係がより穏やかなものになるのでは、という願いが私にはあります。両親の関係性が私に与えた影響は大きく、これも貴重な原体験です。

「HSP」という心理学的な切り口で、脳や神経の働きの特徴によって生まれつき「繊細」「敏感」な気質が作られているのだ、という事実があることは、フラットに物事を見るのに大きく貢献しているように思います。単なる「そういう性格だから」で済ませるのではなく、客観的な事実として心理学的・脳科学的な根拠に基づいて理解をするのに役立つ概念だと思います。

母から見ると、「どうして父が独りが好きなのか、疲れやすいのか、音に敏感なのか等々・・・」がなかなか理解できないのです。母は「社交的で人といるのが好きで、体力気力があり、うるさくても気にならないし、細かい事は気にしないタイプ」。夫婦は過ごす時間も多いのでどうしてもその「違い」が「ストレス」になる。そこでどちらかが我慢するタイプなら喧嘩にもならないのかもしれませんが(これはこれで良くないですが)、お互い我慢せず言いたいことを言うタイプなので「口喧嘩」がエスカレートしてしまっていました。

ですので、HSPの気質の特徴を理解することで、「そういう原理で脳や神経が反応する傾向があるから、そういう考え方や行動特性になるんだね」ということに納得はしやすくなるのかな、と思います。実際、HSPの本を読んだ母は、これまでの父の行動についての謎がするすると紐解けたような気持ちになったようです。

ですが、こういう話をしておいてなんですが、「HSP」と「非HSP」で2つのカテゴリーに分断して単純に語れるかと言ったら、決してそうではないです。そんな人間単純ではありません(笑)あくまでも、「HSPかどうかの軸」だけで話をするのであれば、そのような分け方はできますが、そればかりの世界観で人を見るのも違和感がありますよね・・・。あくまでも、「相手を理解するための一つのヒントやきっかけ」レベルなのかもしれません。

以下、Twitterでも発信しましたが、「HSP」であろうと、なかろうと、相手を理解しようとすること、尊重すること、が全ての人間関係のベースにあるというのは変わりません。私のフォロワーさんはHSPの方が多いのですが、その方達からも大きな反響・共感をいただいた投稿。同じ思いの方が多いんだな、と感じました^^

「相手にわかってほしい!」という願いが出てきたら、その願いのエネルギーのほんの少しだけでもいいので「相手を理解してみようかな」というエネルギーに変えてみられるといいですよね。

両親の口喧嘩は、私の人生に大きな爪痕を残しました。そのことにより受けた影響は大きく、私が心理学や自己探求の扉を開くきっかけとなったのもこれが大きな要因。当初はとても辛く不安で仕方なかったことも、今ではそれがあったからこの道にたどり着いたのかな、と思えるようになりました。


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