不満は越えられる
12歳のとき「一家離散」という夢を抱くようになりました。
家庭環境が良くなくて、不満だらけだったんです。どんなに嫌でも子どもは受け入れることしかできないから辛い。
だからいっそみんなバラバラになれば幸せになれると本気で考えるように。そのためには大金が必要ということも分かる年頃。家のローンもある、生活費だけでなくわたしと妹の学費も必要だ。ああ、とびきりの美貌があれば芸能の世界でザクザク稼げるのに。とにかくお金がたくさん欲しい。そうすれば父も母も無理して一緒に暮らす必要もないのだし。
毎日そんなことを考えながら家と学校の教室を往復。友達に話せることでもない。SNSもない時代。今思い返してもなかなかにヘビーです。
不満を抱くと疲弊します。晴らす場所もなく、術も知らず。大学生になる頃には心身ともに変調をきたすようになりました。
「辛い経験は20歳ごろまでに終えられていますね。」
少し前に手相を見ていただいたときに言われことです。
「やっぱり?そうですよね。そうなんです!!」オンラインで鑑定結果を伝えてもらったのですが、思わず画面に身を寄せて叫んでいました。
大人って素晴らしいと思えるのは、心地のいい場所に自分を運べること。
就職して1年経った頃、親元を離れました。それでも最初は燻った不満の処理に困り果てたもの。だけど時が経つにつれ、少しずつ冷静になれました。
生まれた環境は、自らが選んだのだ。だからあの子ども時代は、不運なんかではなく学びだったのだ、と。
そうやって過去の自分を癒すと、親に対しての感謝の気持ちも掘り起こせるようになりました。嫌なことばかりではなかったよなあ。してもらったことも、いっぱいある。
時間はかかったけど、自分を伸ばすことであの頃の不満は越えられたような気がしています。
それにいうじゃないですか、「悲劇は喜劇」って。
憧れの街への引っ越し資金とさせていただきます^^