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確変チャンスをものにする。

来月の4月15日に国内4番目の拠点として、スタメン福岡支社を立ち上げることになった。僕らにとって念願の九州進出だ。

ゼロからの新拠点立ち上げに当たって、名古屋本社と大阪支社からそれぞれ1名ずつメンバーを選出し、新しい環境で新しいチャレンジをスタートしてもらう。

そのうちの1人は、26歳の中途入社の男性メンバーで、もうすぐ入社から1年を迎える。今回、彼を福岡支社の支社長に抜擢した。福岡支社の開設に当たって準備した関係各所へのご挨拶状にも、社長の加藤と連名で、支社長として彼の名前が明記されている。

正直なところ、わずか2名からのスタートなので、実務上では彼の役割や具体的業務に大きな変化があるわけではない(環境は大きく変わるが)。

ただ、支社長という肩書きが付き、まがりなりにも社長と連名で、拠点の責任者として対外的認知をされることは、本人の想定以上のチャンスと効果をもたらしてくれる。僕自身、前職でベトナム拠点の事業責任者を任してもらった時に、それを身をもって強く実感している。

一番変わる部分は、知り合える人、付き合える人のレイヤーが分かりやすく上がることだ。前までは、会えなかった役職の人に会えるようになる。そういう場に呼ばれるようになる。そんな風に、自分自身の能力や権限、実務実態はいきなりは変わらないのに、新しいポストを上手く活かすことで、身の回りの交流関係を大きく広げることができる。

これこそ、ポストの持つ大きな効力の1つだ。このチャンスを活かさない手はない。

一方で、社内外からの期待値が高まることも忘れてはいけない。自分自身はそんなにすぐにはレベルアップできないが、とにかく色んな物事の要求水準やアウトプットのハードルが高くなる。

事前にそれを把握して心構えしておかないと、要は、覚悟を決めておかないと、人によっては、プレッシャーで半ば自滅してしまい、せっかくのチャンスを不意にしてしまいかねない。これはその人個人にとっても、抜擢した側の会社にとっても、非常に勿体無いことだ。

覚悟を決め、高まった期待値になんとか応えようともがいていると、日々の業務における獲得経験値が増えるからか、スキル面、マインド面ともに一気にレベルアップしていくことができる。これに先述した交流関係の広がりがかけ合わさることによって、抜擢前は想像できなかった大きな成果を出すための地力がついてくる。ここまで至って、ようやく名実ともに拠点や事業の責任者になりえるわけだ。

スタメンでは、抜擢するにたる実力があると見定めてから抜擢するのではなく、抜擢するにたる可能性の大きさ、器のデカさを感じた人には、ちょっと早いかもくらいのタイミングで、一手早く、目一杯背伸びしてギリギリ届きそうなストレッチした役割をお願いするようにしている。

僕が前職の社長にベトナム事業の責任者に抜擢してもらえた時も、同じ気持ち、狙いだったんだと思う。思いもよらない大きなチャンスを与えてもらった感謝の気持ちは、僕にとってまさに一生ものなので、いつかなんらかの形で恩返ししなければと、今も仕事に励んでいる。

ただ、ここまで書いてきたような抜擢による「確変チャンス」をものにできるかどうかは、結局のところは、本人の頑張り次第で決まる。

支社設立が実際に動き始めて、ゼロから物事を作り上げていく過程に突入すると、大変なことだらけの日々になるのは必至だし、途方にくれてしまうことが続いて不安に苛まれることも少なくないだろう。

でも、そういうたくさんの困難があったとしても、それを乗り越えた先に見える「新しい景色」を感じることができたら、「仕事の世界」に一層のめり込めるようになる。ストレッチと成長を反復して続けることで、仕事や生活にたくさんの起伏が生まれて、人生がさらに楽しめるようになっていく。これもまた僕の実体験だ。

そんなわけで、新しい挑戦の場に旅立つ2人を、全社を上げて応援してサポートしていきたい。早速、現地での採用もスタートさせているので、新しい仲間との出会いも待ち遠しい。こうやって、会社を成長させていく楽しみがまた1つ増えていく。これこそまさにベンチャー経営の醍醐味なんだ。

【写真の出典】
福岡の夜景 © Yudai_photography クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

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