バンドマンがクラブハウスに殺されかけた話
今流行りのアプリ。クラブハウスに漏れなく現代っ子として登録してみました。
最初は使い方も分からず人の部屋を覗いてクスクス聴いてたり、地元の友達と生産性皆無の話をしたりしていたのですが、
ある日の夜、バンドマンの先輩が「雑に話す」と言う名前のトークルームを作っていたので、久しぶりにお話ししたいと思い部屋に入れて頂きました。
その先輩はEさんといい、地方でライブハウスを営んでいます。
Eさんとのエピソード。
Eさんは僕が知る限り日本一「ずっとふざけてる」先輩です。
Eさんのライブハウスで打ち上げをしていたある夜。僕はEさんに尋ねた。
筆者「Eさんは好きな映画とかあるんですか?」
Eさん「好きな映画は無いけど、凄く印象深い映画はあるよ」
筆者「何て映画ですか?」
Eさん「オカマ忠臣蔵」
何それ…
筆者「ど、どんな映画なんですか…」
Eさん「観てないんだけど、47人のオカマが復讐する話だよ」
およそ10年前とかの話なんですが、ふとした時に思い出して口角が痛くなってしまうエピソードなんですが、10年ぶりにクラブハウスでその話を聞いてみたんです。
筆者「Eさん!あの話大好きなんですよ!」
Eさん「覚えてないけどその話面白いね」
覚えてなかった。
そもそもその映画は本当に存在するのか。当時は一ミクロンも調べようとしなかったのだが、2021年の今調べてみる事になった。
あった。
正確には「勢ぞろい!おかま忠臣蔵」だった。
Eさんは語る
「勢ぞろいって単語は、仮面ライダーやウルトラマン。それぞれが認知されているものにだけ許される言葉だよね。
そもそも47人のオカマを知らないのに勢ぞろいって言われてもね」
Eさんのトークセンスは一ミリも錆びていなかった。
余りにも面白過ぎて朝型まで話し込んでしまった。四時ごろそのトークルームに僕の地元の後輩Tくんがフラリと入ってきた。
T君は埼玉が誇る目立ちたがり屋なので、Eさんは飛田くんを気に入ったようでTくんにこう告げた。
Eさん「この部屋を5年 10年 100年と未来永劫守り続けてくれよ」
僕は眠気に耐えられずにそのあたりで脱落していたんですが、朝起きてクラブハウスを開いたら信じられない光景が目に飛び込んできた。
Tくんが「雑に話す」というタイトルのトークルームでたった一人で佇んでいた。
※イメージ
部屋吹き飛ぶくらい笑った
クラブハウスの性質上。一人も居なくなるとその部屋は無くなってしまうのでTくんは絶対に部屋を出られない状態なのだ。
誰一人聞いていなくてもだ。
Tくんは他の部屋にも行けない閉じ込められた状態という事だ。
夜にはEさんが帰ってきてようやくTくんの孤独の時間は終わった。
先に結果を言うと、その部屋は60時間くらい維持された。
入れ替わり立ち替わり沢山の人が出入りした。Eさんの人脈もあり信じられない大物バンドマンが訪れたり、沢山のドラマがあった。
本当に5年10年続くかという気配すら出てきた。
部屋に訪れたら方達にも「この部屋をずっと続けていきたいね!」という話題が出る程に愛着さえ生まれました。
動きがあったのは3日目だ。
クラブハウスでは部屋にいる状態で寝てしまう方もよく現れる。Tくんはその時疲れて寝てしまっていたのだろうか。
Eさんがおもむろにこう言った。
「もう眠いしTくんが誤作動したって事にしてこの部屋閉じていい?」
腹よじれるかと思うほど笑った。
そして数分後。本当に部屋は何の余韻もなく閉じられた。
そして僕は力尽きた。
翌朝、クラブハウスを開くと新たにルームが作られていた。信じられない光景が繰り広げられていた。
「Tくんのミスで皆の愛する部屋が終わってしまった」とTくんが皆んなにクソ責められていた。
Eさんは優しく言った「でもTくんだけが悪いわけじゃないからね」
腹ちぎれるくらい笑った。
夜にそのルームを覗くと、潮の流れがまた変わっていた。
丸一日追い詰められたTくんが「僕が悪くない理由をパワポでまとめて提出しますよ!」と先輩相手に息巻いていた。
そして僕は力尽きた。
もう既に睡眠不足が蓄積されていたが、日々変化する状況を見逃したくないという気持ちになっていった
翌朝、クラブハウスを開いたら
「勢ぞろい!雑に話す部屋」が出来ていた。
勢ぞろいというくらいだからどれくらいそうそうたるメンツが揃ってるのかと覗いたらEさんが一人でミュートした状態で佇んでいた。
ゲロ吐くくらい笑った。
先述のおかま忠臣蔵の伏線をこんなところで回収するとは。
明らかな進展
Eさん「そういやTくんがパワーポイントでデビューする事になったからさあ」
全く意味がわからない
話を聞くと、音楽業界は進歩しなくてはいけない。レコードからCD。CDからサブスクと言うように。
サブスクの次はパワポだと。
だからパワーポイントをやりたいと言ってるTくんを皆んなで盛り立てないか?と
その場にいる全員が脳の0.0000001%も使わない会話をしていないと出ない結論だ。だいいちTくんはパワーポイントやりたいとか言ってないのだ。
Eさんは訪れる音楽関係者次々に事の経緯を説明していく。あらすじが長過ぎてそれだけで結構な時間を喰うのだが、来る方来る方に親切にちゃんと説明していく。
そしてEさんは必ずこう言う
「だから君はTくんの夢にこんな形で協力してくれ。さあ、
忙しくなるぞお〜」
現状僕が把握しているTくんの現状はこんな感じだ。
Tくんが世界初のパワポで音楽をリリースする
↓
それに付随してテレビ、ラジオ、イベント、アパレル、グッズ…トークルームに出入りする皆んなで色んな形でTくんをサポートしていく。
↓
ゆくゆくはタワレコに「パワポフロア」が出来る。
「ディスクユニオンパワポ館」が出来る。
↓
世界中から「洋楽パワポ」のバンドを招聘して、千葉マリンスタジアムで「パワーソニック」を行う。
↓
最終的には「パワポ対パワポの頂上決戦」としてTくんとWEEZERでスプリットアルバムを出す。
大の大人が朝から深夜までかけてこんな話を真剣にしているのだ。
丸3日間もだ。
落ち着いてよ皆。
当のTくんはずっと「やめてくれ」と叫んでいるだけだ。
さる高名なラジオ局の方を捕まえては「パワーポイントをラジオで流すのにはどうしたらいいんだ?」とか言っていた。
某ラジオ局の方もEさん達を無下に出来ないのか「なんとかラジオからパワポの映像を流せないか検討します」とか言ってたが
それはもうテレビだよ。皆落ち着いてよ。
この話に何の意味も無いし、何の生産性も無い、だけどどうしても見逃したく無いので無理して聴いてしまう。
身体はどんどん蝕まれていくのに。
この面白さは文章では伝わらないので、お願いだから、クラブハウスをやっている方は
@endysholidayをフォローして欲しい
@riddletkhrでもいい。僕です。結構同じルームに居るから。
T君は@tovishitでやってます
既に1週間くらい続いてるそしてこの話がどこまで続くか一緒に見届けて欲しい。Eさんは初見の方にもしっかり説明してくれる。
大体朝から深夜3時くらいまでやってる。
Eさんは他にも実験と称して時々こんなルームを立てている
ただ全員が無音で居るだけだ。怖くて入った事はない。
その後クラブハウスで再会するとEさんはこう言ってくれる。
「タカヒロ。実験は失敗だったよ」
背中吹き飛ぶくらい笑った。
それ以外にも
Eさんの部屋の鳩時計が毎時29分に鳴いたり
10時29分の場合は11回鳩が鳴いたりするくだりとか、どうしても実際に音で体験して欲しい。
Eさん「もし時計の定義が、時間を伝える事だとしたらこれは時計では無い何かだね」
筆者「どこで買ったんですか」
Eさん「無印だよ。無印良品で買ったものが不良品だなんて俺だってこんな事言いたく無いんだよ」
最近毎日笑い過ぎでお腹の筋肉が痛い。
皆さん。クラブハウスであいましょう。
次のTくんは君かもしれない!
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