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RIDDLE20周年ツアーゲストの思い出 kidd編


BIGMAMA編の途中なんですが、ちょっと時系列で話をして行った方が伝わるかなと思って、kidd編に飛びたいと思います。


岐阜にkiddっていうバンドがいることは、ライブハウスに貼ってあるポスター等で何となく認知はしていました。


当時はサブスクとかyoutubeとか無いもんだからまずビジュアルの印象でしか認知が出来ないわけじゃないですか。

「体格がデカい」

明らかにデカい


その印象が強かったです。

今ほどではないですけどバンドマン=モヤシってイメージが多少はあったので彼らの頼もしい肩幅はかなり印象には残っていました。



初めて共演したのはどこだったんだろう…
名古屋だった事は覚えてるけど、Northern19かTRIBAL CHAIRのツアーだった気がする。

ポスターで見た印象より更にガタイの良い彼等はきっと音楽も

ニューヨークスタイルのクロスオーバーハードコアだと思ってたんだけど、

こんなイメージ


彼らは哀愁漂う繊細なグッドメロディーを奏でていた。

僕等は直ぐに彼等の虜になってしまった。 





打ち上げをフル単で楽しんだ彼等は、当時の僕らには衝撃的な発言をした。


「さー、帰って1時間寝て仕事や」



え??きつくないすか??!

「好きでやってる事やからね!」








これは、平成バンドマンならわかってくれる人いると思うんですけど、
その当時のバンドマンのマインドの外枠は

クオリティだと音楽性とは別のところにあって

バンドにフルベットしているかどうか。

って事だった気がします。


月に何本以上ライブをやって、スタジオは週2回。ツアーって冠する遠征は30本以上。


バンドに全精力を注いで、バイトはその隙間に何とか まあ何とかやる。

周りのバンドマン誰しもそんな感じだったし、全員が全員財布に一枚お札が入ってたら上機嫌。みたいな生活をしていた。



思い返してみて?2000年代のパンクバンドって皆んな年間100本とかライブして毎年フルアルバム作ってるのがザラだったからね??




だから、僕らもそうでなければと意識して活動していたし、社会人バンド。正社員バンドの事は「違う世界に居る」と思っていた。

見下してた訳では無い。だけど相容れない価値観の人達なんだろうなと思っていたし、クオリティも期待出来ないだろうと思っていた。


今思うと下らねえなあと思うけど、当時の僕たちはそう考えないとやってらんなかったんだと思う。

バンドをやるために犠牲にしてるものが多すぎたんだと思う。



だからkiddのような…どう考えてもかっこいいリリースやツアーもしているバンドマンが社会人??ってのが良く解らなかったし、色眼鏡をぶち抜くぐらいのライブを目の当たりにして価値観を粉々に打ち砕かれた。



この曲とかマジで日本エモの至宝として後世に語り継ぎたい

kiddのメンバーは皆んな本当に優しかった。
リハ後とかにご飯食べにいったりすると高いメニュー頼んでたし

ラーメンにトッピングしまくってた。


これが社会人パワーか。


右が kiddドラムゆーまさん やはりデカい


バンドを始めてからずっと思ってた。


スタジオでスーツを着たおじさん(当時の僕たちからすると)が楽しそうに「ごめん!遅れた」なんて言いながら、何ならビール片手に集まって来て、和気藹々と音楽を楽しんでいる姿。


スタジオでヘラヘラしてんなよくらい思ってた


僕は若いころ「ああはなりたくない」「ああなってはいけない」と思うことで自分達を律していたけど。


あのおじさん達の笑顔は本当に魅力的だった。



kiddと出逢った当時22〜3の僕達は、若いってだけでチヤホヤされる時期をとうに過ぎて、プレッシャーや期待という名前の閉塞感に縛られていたんだと思う。




kiddとの出逢いで僕は、良い音楽をやる上で必要なのは覚悟や犠牲では無いって事を知った。

いつしか張りに貼ってた肩肘をほぐしてもらった。

肩幅の凄い人達に。



あのスタジオで観たオジサン達の笑顔に惹かれた自分への答え合わせをしてもらったようなものだ。


そして、バンドや音楽の事をまた一層好きになった。

その後kiddはフルアルバムを出して全国50本とかのツアーを廻っていた。もちろん殆ど週末
だ。 

社会人しながらそれをやるのも狂っていると今なら思うが。

そのツアーで共に過ごしたkiddのメンバーはやっぱり優しくて、楽しそうで、かっこよくて、飯に金を惜しまなかった。

そして「帰ってシャワー浴びて仕事や!」と言いながら打ち上げの最後まで居た。


僕が今バンドを心から楽しんでやれてる。

その理由の何割かはkiddが教えてくれた。

立場や覚悟や犠牲。それらが成果となって表れる瞬間だってあるんだろう。

でも何処にいても、どの立場からでも、1番大事なのは環境や状況への、そして音楽への愛だなって思う。今は。

それを教えてくれたバンドが久々に対バンしてくれます。

現在は若干一名撫で肩がいる



最近はだいぶスローペースな活動になってますが、僕らなりにここまで続けてこれたお礼を伝える1番の手段が「対バンに呼ぶ」だからこれでいいでしょう。

きっと最高の一夜になると思います。

余談ですが、僕の母は何故かしょっちゅうこのTシャツを着ています

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