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椿屋四重奏二十周年 

「椿屋四重奏二十周年のパンフレットに文章を寄稿して欲しい」


インスタのメッセージに突然届いたメールだ。


少し時間が戻るが2023年初夏に突然発表された
「椿屋四重奏二十周年ライブ」の報。



僕も多分に漏れず命懸けでチケット争奪戦に参加し、そして勝ち取った。

ちなみにバンドメンバーであり兄弟でもある俊輔という男はチケットが取れなかった。
怨念が足りないんだよ。と思ってた。


チケットが取れたことに浮かれて毎日を過ごしていた時にそんなメールが届いた。

僕はどうやって令和を生きてるのかわからないくらい情弱なので、
インスタに来るメールは全部悪者

くらいに思ってた。


僕「"音楽と人"のKさんって人からこんなメールが来てさあ」

友「Kさんって…編集長じゃない?」

僕「編集長を騙る悪者かあ」





本物だった。




その時点で既に3日ぐらい既読無視していた僕は、依頼されていた2000文字を速攻で、

マジで一時間くらいで書いて送った。


パンフレット。というか書籍。



それがコレに載ってるアレです。


前に書いたnoteが何でかKさんの眼に止まって今回の話がきた事を考えると




好きなものは自分の立場とか気にせず好きって発信するもんだな!と思いました。


で、こっからはライブ当日の話。


2023.8.27 椿屋四重奏二十周年ライブ 当日。

僕は前日自身のバンドのライブで福島県におり、朝5時くらいに帰宅した。

僕のやってるバンド RIDDLEです。



起きた瞬間身体が重すぎて一瞬だけ「延期になんねえかな…」って思ったのは冗談として、


無事に俊輔(先述したメンバー件兄弟 リセールでなんとかチケットを手に入れた)と合流しゾンビの如く足取りで人見記念講堂へ向かった。

人でごったがえす会場の中に

何故かRIDDLE(僕達のバンド)のグッズを着た男の子を見掛けてめちゃくちゃ動揺する


って一幕もありつつ。


座席についてその瞬間を鳴り止まない鼓動と共に待ちました。





ライブレポはおそらく色んな媒体で上がっているので 僕なんかが書いてもアレだと思うし
いくつか印象的な点を書いていこうと思います。


前日に福島で「日本で一番音がデカい野外フェス」に参加していた僕は余裕で耳が死んでて、一曲目の「プロローグ」のイントロのアルペジオが全然聴き取れなくて

「あれ?なんだっけこの曲」

ってなるってゆうファンにあるまじき失態からライブは始まりました。


プロローグ 椿屋に出逢った大事な曲なんだよ…


職業柄というかどうしても演奏や音響に意識を置いて観てしまう癖があるんですけど、その観点でもちょっともう凄過ぎて筆舌に尽くしがたかったです。


"最強のロックバンド"がそこに居ました。


いちいち書いてたらキリが無いのでかなり端折りますね。

"シンデレラ"で中田さんとカトウタロウさんがユニゾンで弾くギターソロがあるんですけど、人間は余りに凄い物を見ると感動とか感嘆よりも先に

ドン引きするんだなって知りました。


ギターボーカルやってる人にしか伝わらないかもですけど、あんな涼しい顔で弾けるフレーズじゃないですからね。

何故か脳裏に火口で鍋焼きうどん喰う涼しい顔の中田さんが浮かびました。

引くわあ…



中田さん小寺さん両氏は勿論の事ですがメンバー全員プレイヤースキルが高過ぎて「よし!帰ったらギター折ろう!!」って思うくらいには打ちのめされました。

大人の色香と凄味漂うアンサンブルをたっぷり堪能してしまいました。


そのアンザンブルの上でメロディと踊る中田さんも、ビートを紡ぐ小寺さんも、確かに「あの時とは違う」円熟した余裕と凄味を纏ってはいるものの、目付きや表情のそこかしこに「あの時の椿屋四重奏」がカットインしてくるんです。

カミソリのような、火花のようなそれ。


音楽はタイムマシンとはよく言ったもんですけど、演者側にもそうなんだな。

アンコールの"あのサプライズ"についてですが、僕は席がかなり後方だったので、暗いステージで何が起こっていたかは見えず、
ただ

「人でも刺されたのかな?」

てゆうテンションの悲鳴が前の方から聴こえてきて逃げる支度をしようかと思っていたところに

「群青」のギターが鳴った。


そして照明が着いたステージにあの三人が、居た。


人は驚き過ぎると「うおー!」とか「ぎゃー!」じゃないんですよ。声や息を吐くんじゃないんです。

「スゥーッ」て吸うんですね。初めて知りました。



終演後に 音楽と人のKさんから「メンバーと話しましょう」っていうお誘いを頂いたので、ロビーで余韻に浸りながら関係者の皆様に囲まれてボケっとしてたら、

スタッフの方に「招待パスはお持ちですか?」と聞かれました

僕「持ってないです」


スタッフさん「えーっと…お客様でしたら申し訳ないのですがご退場のお願いをしているのですが…」

僕「僕もそう思います」




うんそうだった僕今日チケットで来てるんだわ。
よし帰ろう!帰ってギター折ろう!と踵を返した矢先に、目の前からUKP(椿屋四重奏の古巣であり、僕らRIDDLEの古巣)スタッフが歩いてきて合流したので何となく有耶無耶になりました。
Kさんとも会えました。


メンバーを待つ間モジモジしながら
絶対緊張するよなあ。どうしよっかなあ。今何かで「諸事情でメンバーに面会できません」とか言われたら全然それはそれでいいやとか考えてたらメンバーが現れました。


音楽と人の編集長とUKPのスタッフ達から一斉に

「あ、この人達がRIDDLEです」

と謎にVIPな紹介をされてしまいメンバーの前に躍り出た僕と俊輔。


目の前には汗も引き切らないままの椿屋四重奏のオリジナルメンバー三人。


その瞬間何故か凄くリラックスしてしまって、普通に、というか普通以上に砕けた会話を楽しんでしまいました。

何でしょうねアレは。ただ一つ言えるのは、目の前に居たのは僕達がよく知ってる「バンドマン」だったって事なんです。

ファンとアーティストではなくて、バンドマン同士の会話でした。

何であんな精神になったのか、あとでよく考えてみたんですけど。

やっぱ本当に憧れの人の前だとやっぱりどれだけ好きかとか感動したかとか伝えないと…とか色々考えちゃうと思うんですけど。


僕達は音楽性こそ全く違えど椿屋四重奏に憧れて、あの時から今もバンドってものを20年続けてて、その事実こそがもう愛とかリスペクトのこの上ない確たる証拠なんだよな。って事なんです。

だから僕の中では音楽やバンドと向き合う中で、椿屋四重奏って存在は何回も何十回も会話した人みたいな気持ちになってしまったんだと思います。

椿屋四重奏でRIDDLEをサンドウィッチ

ポケットから手ェ出せや(俺)







素敵な夏の夢をありがとうございました。
一バンドマンとしてずっと忘れない夜になりました。
そして素敵な機会をくれた音楽との人の金光さん。ありがとうございました。




追記。

追加公演の大阪も行っちゃった


しかも夜走りで。

ゴリラホール凄い良かった。住めるなって思った。




多分「プロローグ」のイントロの件が相当悔しかったんでしょうね。

反省を生かし二階席の手を伸ばせばスピーカーに手が届くくらいの位置からライブを観た結果。

耳ちぎれっかと思ったわ。



しかしスタンディングの雰囲気凄かった…
人見記念講堂の時とはまた違った凄まじい熱狂と狂気がありました。 
若い人も多かった感じがしました。


本編ラストのセクションで 

ランブル→螺旋階段→いばらのみち→恋わずらい→空中分解



ってゆう地獄みたいな畳み掛けがありましたよね?

イメージ図



僕は東京で観てるので流れは知ってたのですが、二階席から観ててこの連打に呼応するフロアの熱狂と発狂と絶叫が凄まじすぎて "恋わずらい"の前くらいに

「本来まだ続くセクションだけど一旦止めないと誰か死ぬぞ?」と本気で心配しました。


こうゆう死に方するやつね。

ここで、"恋わずらい"…?ゲハァっ!!!






恐ろしいバンドですよ、人を殺せるタイプのバンド。

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