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創作ユニットりこりた 代表インタビュー

みなさま、お世話になっております。創作ユニット「りこりた」の海牛です。
りこりた1st『花の枯らし方』の上演に先立ち、前回に引き続き当劇団の代表でもある名塚かずやに、劇団について話を聞きました。
ぜひご覧いただけますと幸いです。

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-作品インタビューでも触れましたが、今回の作品は客演さんに多く参加いただいてますよね。今後の公演でもコンスタントに客演さんをお呼びする想定ですか。
次回公演に限って言えば、劇団メンバーを中心に進めたいと思っています。宮城でクリエーションをしたいという人たちと出会っていきたいので、今後も積極的に客演さんをお呼びしたいと思ってはいるのですが、そのためには劇団としての力がないと、そもそも続いていかないと思うんです。今回の公演をきっかけにりこりたに入りたいと思ってくださる方がいたら、次回公演はその方々と一緒に、りこりたという団体のチーム力を高めるクリエーションがしたいです。
今回は「この人と作りたい」という役者さんたちに脚本だけを持ってお声がけをさせていただいた形ですが、今後は、「りこりたというプラットフォームを使ってみませんか?」と言えるように、劇団のカラーを育てていきたいですね。
-宮城でクリエーションをしたい人と出会いたいというお話がありましたが、今後も宮城で活動していく予定ですか。
そうですね。僕自身が宮城で生活をしていて、これまで築いてきた人間関係も宮城にあるので、安定した活動を続けるためにもしばらくの間は宮城中心でやっていくのが良いかなと。でも、じゃあ宮城以外の人とクリエーションしないのかというとそうではなくて。実際、りこりたには関東圏在住の遠隔メンバーもいて、彼らとのクリエーションのために、映像作品や短編公演などの機会を模索しています。
-りこりたをプラットフォームとして利用してもらうために劇団のカラーを育てていきたいというお話もありましたが、どういうことでしょう。
劇団のカラーを認知してもらった上で、関わりたいと言っていただけるようにしたいんです。
今、仙台では若い団体さんがたくさん出てきていて、演劇をやりたい人を募ったりする場面もあって、参加したい時に手を上げやすい状況が増えているなという印象があります。ですが、団体によって志向する作風は異なるかと思うんです。選択肢が多数ある中でも、しっかりと自分たちのカラーを示すことで、こんな作品に出たいと思った時に選択してもらえる団体になれればいいなと。りこりたには脚本も演出もできるメンバーが多いので、僕以外が脚本・演出をやることもあると思いますし、それに伴って色々な作風のお芝居を作っていく事になるかとは思うのですが、しばらくはカラーを示すために活動していきたいです。
-昨年は読み合わせ会も実施しましたが、そういったWS活動もカラーを示す場になっていたのでしょうか。
そうですね。読み合わせ会ではチェーホフ作「かもめ」とイプセン作「人形の家」という、古典演劇のなかでも方向性のはっきりしている作品を使用しました。これらの作品を演目に選ぶことで劇団の守備範囲の端っこを示して、その上で知り合いを増やしていこうという目論見でした。うちの劇団はこの方向性だとここまでやります、ということを示すことができれば、僕らの団体の輪郭が出せるのかなと思ったんです。
-自分たちのやる作品の範囲を提示することを、強く意識されているんですね。
僕自身がそうなのですが、見る側としても参加する側としても、この団体さんはこういう作品を作るよね、みたいなことを知りたいと思うんです。自分たちの範囲というか、ある程度の方向性を認知してもらった上で、見る/参加するをマッチングしていただいた方が、お互いに幸せだと思うので。
あと、近い世代の劇団さんとも、作品ごとで気軽に役者さんの行き来があったりとか、緩い連帯のようなものをこれから結んでいけたらいいなあと思っています。
-劇団が増えていることに伴って、お客様も増えているかと思います。知らない劇団でも積極的にカラーを示してくれると、観劇するかどうかの選択がしやすくなりそうですね。

-現在の劇団メンバーは社会人の方が多いですが、社会人が入りやすい劇団を目指されているのですか。
そうですね。僕の周りに社会人になって演劇をやめてしまった人が結構いて、僕自身もかなりの期間演劇から離れてしまっていたんです。働きながら創作を行うロールモデルも分からなかったし。でも今までやってきたことをあきらめるのって勿体ないじゃないですか。だから、ここに来れば演劇は出来るよって、そう言える場所を作りたいなって思ってます。
でも最近は、働きながら演劇をやりたい方の受け皿になるような団体さんが増えてきていて、選択肢も広がってきてますよね。りこりたの特徴を言うなら、週末を稽古日にしているので、お休みの日にクリエーションを真剣にやりたい人に向いている団体かなと思います。もちろん学生さんもウェルカムです。
-お休みの日に稽古するとなると、長い期間のクリエーションになると思いますが。
本公演なら半年で一作ペースの団体になるかなと思います。ただ、半年間関わるのは難しいという人でも参加していただける企画もしていきたいと思っています。実際、遠隔地にいる人とつくる作品も水面下で動いています。なので、一緒にクリエーションしたいけど本公演は難しそうだという人でも、まず声をかけてもらいたいです。場所とか時間とかの制約に縛られずに、やりたい人に手を指しのべられる劇団にしたいなと思います。
-なるほど。ちなみに、りこりたとしての活動はこの先どれくらい続けていきたいですか。
5年はやりたいですね。。
-現実的ですね笑。
5年あればライフスタイルが変わって、演劇をお休みしたい人も出てくるだろうし、新しく加わる人もいるでしょうし。一度立ち止まって考えるのにちょうど良い期間が5年かなと。立ち止まった時に、その時の状況に合わせてやっていけたらなと思います。
-慎重に考えているんですね。
主宰が地に足つかないこと言ってると頓挫する気がするので、現実的な目線を持っておいた方がいいかなと。無責任すぎないというのも大切かなと思っているので。今後劇団が育っていくにあたって、そういう視点で運営してくれる人が僕以外にも増えると、団体としては持続可能というか、もっと先も見えてくるようになるのではないかと思います。僕がしっかりしていないので笑。
-では、スタッフや演者だけでなく、劇団の運営というところに興味がある人にも入っていただきたいと。
そうですね。僕の気持ちのムラに左右されない組織にしたいので、僕のほかにも劇団の運営をする人がいてくれると、作品を作る前の土台のところをしっかりできると思います。興味のある方はぜひ声をかけていただきたいです。

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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
次回からは出演者へのインタビューです。ぜひご覧ください。



名塚かずや
創作ユニット「りこりた」の主宰。劇団の旗揚げ公演であるりこりた1st『花の枯らし方』では作・演出を務める。

海牛
創作ユニット「りこりた」所属。

りこりた 1st 『花の枯らし方』
ご予約はこちら。
https://t.co/mKGBzUbNv0

【日時】
2023年2月25日(土)・26日(日)
2月25日(土) 14:00/18:00
2月26日(日) 11:00/15:00
※開場は開演の30分前。
※上演時間は100分程度を予定しております。


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