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掘りたての筍パワー。


筍とえんどう豆の炊き合わせ。

先日たけのこを掘る機会がございまして。
本当の本当に掘り立てのたけのこを茹でて
パスタにして頂いたのですが、いやコレが美味しいのなんのってアナタ。

もうパスタの腕なんていらないっす
たけのこが美味しくしてくれます。
美味しいというか、もうそんなこと軽く超えてしまって、たけのこのエネルギーに圧倒させられてしまいました。

炊いて合わせて。

炊き合わせというのは、別々に炊いて合わせる訳でございます。
面倒といえば面倒です。
が、それぞれの持ち味に合わせて調理し、
最後に合わせる。
それぞれ独立したうえで手を組む訳です。
理想的じゃないですか。
それぞれ食べても美味しく、
合わせて食べてみるとまた違う味わいがある。

動画をアップしました。
時間のある時に覗いてみていただけると嬉しいです。


How to make 炊き合わせ!!

今回は「たけのこ」と「えんどう豆」です。
それぞれの炊き方(煮方)で分けて説明いたします。
今回はあまり家庭料理の参考にはならないかもしれませんが
口に運ぶときの完成図を目指して、細かい気遣いを重ねながら
構築していく様はまるでドラマのようで面白いかと思われます。

※まず出汁をとります。出汁に関しては以前お浸しの記事で詳しく書きましたのでそちらを参考にしてください。

えんどう豆

① 鞘から豆を取り出す

② えんどう豆用の出汁を事前に作っておきます。計ったことはないので目安ですが

  ・出汁15 みりん1 醤油0.5 塩ひとつまみ
 
火を入れて冷まします。
後に味をつけますので、ここでは淡い味で結構です。茹でたお豆を色止めのため水に漬けるとせっかくの豆の味が逃げてしまうので、その為の浸し地です。なのでしっかりしっかり冷やしてください。
  お豆はほんのり甘いほうが美味しいと判断してみりんを少々入れました。

③ 色をくすませたくないので90°cのお湯で
火を止めてから豆に火を入れる。1分ほどで食べてみて豆の固さを確かめて程よい歯応えになったら湯からあげ②の出汁にいれ冷やします。

④ しっかり冷えたらザルにあけ、今度は皮を取り再び出汁に戻します。えんどう豆の皮は意外に硬く歯応えが悪いためです。ただ結構面倒です。

たけのこ

① たけのこは根っこの汚れた部分を切って洗  い、先端を斜めに切り落とし縦に切れ目を入れます。動画をみていただけるとわかりやすいと思います。

② たっぷりのお湯で茹でます。採りたてならお湯だけで美味しく茹で上がります。
そうでなければ糠と共に茹でてください。大きさにもよりますが1時間ほど茹で竹串がスッと入るくらいになったら湯から引き揚げ冷まします。
糠を使った場合、水にさらして糠臭さをのぞきます。

③ たけのこはあまり煮すぎると出汁のほうに旨味が出てしまうので表面にまとわせるように。ですので少し強めの味付け。
たけのこにはみりんの甘さは邪魔と判断して、代わりに酒。

  出汁9 薄口醤油1 酒0.5

こちらも目安です。この割りを基準にして足したり引いたりしてみてください。
 

合わせる。


① たけのこはしっかり温めておく。
  えんどう豆をザルにあけ、つけ地を鍋に入れ火にかける。塩と薄口醤油で味付けし(お吸い物より少し強い程度)合わせるギリギリに豆を入れ温める。

② 深めの皿を用意する。たけのこは出汁は入れずに皿に盛る。えんどう豆は出汁と共にたけのこの周りに盛り付ける。

出来上がり。
春を美味しくいただきましょう。

アタマではなく五感で。

動画撮影では一人前しか作らないので家族3人で奪い合いながら食べました。本当はゆっくり日本酒と一緒にいただきたかった。。

たけのこは心地よい歯応えと、出汁に引き出された味と香りがしっかり感じられます。
えんどう豆はそのきれいな翡翠色と、優しくほの甘い味と食感と。

集中力と手をかけた分、佇まいと味に目には見えないチカラが宿ります。
ついついボクたちはアタマ(情報)でモノを食べてしまいますが、色カタチと香りと食感と味に感覚を奪われてしまい気がついたら
リラックスしてしまってるくらいの
色気のある美味しい料理を作れるよう
これからも精進したいと思います。

あっ、五感にひとつ足りない!四感だっ!
失礼いたしましたっ


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