【サスペンスにおけるミクロとマクロ】
映画や小説でよく耳にするワードであるサスペンス
世代の方がいれば伝わるかと思いますが
火曜サスペンス劇場などが有名ではないでしょうか。
ただ、言葉で知っていても、なんとなくでしか理解をしていない
という方は少なくありません。
改めて、単語として説明すると
suspenseには「未解決、不安、気がかり」といった意味があり
基本的には事件性のあるものがテーマとなっていることがほとんどです。
未解決事件、不安な心境、気がかりな出来事と
その言葉の意味がふんだんに使われているのがサスペンス映画になります。
実は、この正式な意味の他にも
「観客の心を宙吊りにする」という意味から
ズボンのサスペンダーを由来とする説もあります。
日本語で不安な時や、緊張した時に人冷静さを欠いた様子として
「地に足がつかない」と表現することも似ているように思えます。
心理状況の重要性
基本的に閉鎖的な空間で何か事件が起こると
人はパニックになりますが、その様子を淡々と説明することはできません。
なぜなら、焦った時には気が動転してしまい
落ち着くことが難しいからです。
このような閉鎖的な空間をクローズドサークルと言います。
サスペンス映画では、この状況に陥ることが多く
代表例で言うと、雪山で遭難した小屋、止まったエレベーター
などが挙げられます。
外界から中の様子が窺えない際には、何が起こるかわかりません。
その中で物語を読み解くヒントとなるのが
登場人物の心理状況になります。
推理ものであったり、スリラーもであっても当てはまります。
ミクロとマクロ
例えば、家を出る際に鍵を見失ってしまったとしましょう。
これは誰もがある経験ではないでしょうか。
これを一種のサスペンスとします。
その場合、皆さんはどこから探し始めますか?
家の中で置いたであろう場所から探し始めるかと思います。
大きな範囲や可能性の高い世界から視野を広げること
これがサスペンス映画におけるマクロ視点です。
それでも見つからない場合、その時にはどうするでしょうか。
きっと、最後に見た記憶を遡り、ヒントを探し始める。
もしかしたら、帰り道に落としたのかもしれない。
それとも、昨日最後に買い物したコンビニに落としてきたのだろうか。
広い範囲で解決しなかった場合、視野は自然と細かな視点へと
偏移していきます。
これがサスペンス映画におけるミクロ視点です。
マクロ視点
物事の大まかな要素について考える
ミクロ視点
細かな要素から推測していく
サスペンスにおいて、基本的には事件がつきものです。
その上で、起きた出来事への大きなきっかけから始まり
些末であろう要素から、核心に迫る緊張感や展開というものが
このジャンルにおいての面白いポイントになります。
考察することで充足するストーリー
映画によっては、未解決やオチに納得のいかないラストのものも
あるかも知れません。
ただ、それは観客である皆さん自身が物語を読み解く上で
考察することで何倍にも楽しめるものになります。
真犯人や黒幕は誰か、なぜ起きてしまったのか
などといった背景に注目しつつ
自分自身でも主人公になった体で考えると
より作品としての深みが出るのではないでしょうか。
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