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【映画】《前編》『君に届け』ー爽やか男子アイコンとしての三浦春馬が誕生した作品

そろそろ、この作品の話をしようかと思います。
春馬君の映画作品の中で、初めて見たのが『君に届け』でした。
と言っても、最初に観たのは昨年の秋ですが。。。

昨秋のある日、親しい友人に、こそっと春馬沼にハマった事を告白したら、なんと彼女は『14歳の母』をリアタイで観て、彼氏役の少年に釘付けになったとおっしゃる。

それから、いろんな作品を観てるけど、まずは『君に届け』を観てみて。話はそれから!

彼女とは、10年以上の付き合いで、共通の趣味も多いし、リアルでも遊びに行くし、ネイルも一緒にするし、LINEでもよく他愛のない話をしてて、家族の問題とか、子育ての愚痴とか、泣き言とか、ちょっとした自慢とか、世間話しとか、なんでも話すのに、なぜ、今まで春馬君の話題が出てこなかったの?!

いや、たぶん、出てきてたよね。きっと。
私がスルーしてたんだろな。きっと。

反省した私は、彼女の現在の推しについては、それなりの関心を持つ事にしました。そもそも興味のセンスが合うから、話題に事欠かないわけだし、春馬君の例からしても、もしかしたら、将来そちらにハマる可能性もなくはない、ので(笑

という訳で、Ricky友人推薦映画『君に届け』のレビューです。

観る前からなぜか照れる

友人に勧められて、早速『君に届け』を検索しました。
で、検索したら、まず目にするのがこちらの画像かと思います。

いや〜、いい写真♡
何度見てもいい写真です。

春馬君が幸せそうにしてると、私も嬉しいのです(何度も言ってますが)。
春馬君、この子の隣に座ってるのが楽しくて、嬉しくて仕方ないという笑顔。

で、多部未華子さんの表情がまたいいっ!
春馬君の方に目だけ。。でも、春馬君の事は見てない。
見たいのに、わざと視線を外してる感じが、それでいて、春馬君が横からふんわりとした大好きオーラを出しまくっているのを、ビリビリ感じているのは伝わってくる絶妙な表情。

しかも、コロナでもないのに、この2人の間のソーシャルディスタンス(笑
2人の間には、なんだか距離があるんですよ。いい雰囲気なのに、なぜか、距離がね。。

もう、この写真好きすぎて、これだけでnoteひとつ分くらい書けそうだから、このへんにしますけど(笑

って、今なら堂々と言えるんですけども‥

『君に届け』を検索して、この画像が目に飛び込んで来た時には、マジで照れました。なにに照れたのか、わからないけど。
なんだかアラフィフのおばちゃんが見ていい映画なのか、躊躇するほど照れました。

例えは違うかもしれないけど、中学生の男子が、親に内緒にする感じの写真が、不意打ちで、スマホの画面に大写しになった時、みたいな。
ひとりでいるのに、周りに誰かいないか、思わず確認しちゃう、みたいな。

それほど、この写真の破壊力が凄かったのです。
だって、もう、ほら、色々忘れちゃってるわけですよ。
高校生の頃とか、昔すぎて。

この映画観たら、その忘れてた、いや、心の奥底深くに仕舞い込んで、見ない事にしていた「こっ恥ずかしくなるようなみずみずしい感情」の箱のフタを開ける事になるけど、準備はよろしいか?と、多部さんと三浦さんが訴えかけてくるようで。。。

そして、その問題設定のおかしさに3秒後に気づく。

私、リアル高校生の母じゃないか!

自分が高校生にタイムスリップして観るんじゃなく、母目線で愛でればいいんじゃない?
おばちゃんなのに、立ち位置間違えた。あー恥ずかしい!

今でも、この画像は「大好きなのに、照れちゃって直視できない」画像です。その自分のヤバさにまた照れる、みたいな。

では、勝手に照れながら、観るとしますか。

風早君は高校1年生

まだ、春馬君の右も左もわからない時に観た『君に届け』。
冒頭のシーンは、高校の入学式へ向かう通学路のシーンです。
多部未華子さん演じる、いかにも漫画から飛び出した謎のキャラ「貞子」こと、爽子が高校へ向かう道で、春馬君演じる風早君と出会います。

なんか、イケメン出てきたー!

これが、正直な感想。でも、一瞬、春馬君と認知できなかった。『君に届け』の前に観ていたのが『TWO WEEKS』で、そのギャップがあまりにも凄くて。

結城大地と風早翔太。
子持ちのチンピラと爽やか高校一年生。
撮影時の実年齢にして約10歳差。
役の年齢で、15歳の差。

そりゃ、違いすぎるのも当然か。

そして話の流れから、高校の入学式へ向かう途中と知り、軽く混乱する。

風早君、先輩?
在校生なのに、道に迷ってる?
道に迷ってるふりしたナンパ?

ん?ん?

リアル高校生の母なので、風早君が、どうしても高校1年生に見えなかったのです(笑
すごくしっかりしてて、完成されていて。

なにが、って、1番はその体型。
高校1年生といったら、数週間前まで中学生。
思春期真っ只中のこの年齢の子は、体型が大人じゃないんです。
背が高い子はいます。でも、肩のラインとか、骨盤のラインとか、少年のままなのです。
高校から20歳くらいまでの間に、骨格が出来上がって、大人の体型になっていく。

高校の1年生と3年生、体格を比べてみるとわかりやすいと思います。

という認識なので、風早君を見て、「先輩」だの「留年」だのと、いろんな想像しちゃった。そこで、一度画面を止めて、ネットで調べて、撮影時の春馬君の年齢を確認して納得。

春馬君、実際の高校卒業してから、2年も経ってます。
5歳も若い役、でしたか。

で、再び見始めたわけですが、不思議と高校の教室なんかのシーンでは、普通に馴染んでる。高校生に見える。
ジャケット脱いでると、なおいい。体操着だとさらにいいかな。
でもやっぱり、ジャケットを着てると少しお兄さんに見えちゃうけど、うん、でも、高校1年生だと思って見る事にします!

高校生役の集大成

高校生でブレイクした春馬君。高校生の役は、たくさんやってきました。金髪のヤンキー、金髪じゃないヤンキー、走る人、タイムスリップする人、天才ハッカーも高校生だったかな。

で、最後の最後で、爽やかなイケメン役です。

それまでの役も、爽やかさはあったんです。
カッコ良さもピカイチ。
でも、それを覆い隠すほど、クセが強いキャラが多くて、隠れてたのよね。

こういう、クセのない、ふつーのカッコいい青年がお似合いなんだ、というのを証明したのが、この『君に届け』かなと。

この後、ふつーだけどカッコいい(それでいてちと情けなかったりもする)青年役、ちょいちょいお目見えするようになっていく春馬君。『君に届け』は、言ってみたら「イロモノもいけるイケメン俳優」から、新境地を開拓して、爽やか男子のアイコンとしてのポジションにしっかり足場を築いた作品だと思います。

ふつーの青年は、あの時の春馬君にとっては、きっと、凄く難しい役だったと思うのです。ふつーで爽やかだけでも難しいのに、漫画のキャラクターの持つある意味フィクションの、想像の世界で求められる爽やかさとなると、さらに難易度が上がる。
でも、リアル高校生ではない20歳の春馬君だから、ある程度は計算で、わざとらしくない爽やかさが、出せたのかなと思います。

この作品は、人気の意味でも、高校生役の最後という意味でも、役の幅の意味でも、役者としてのターニングポイントだし、高校生役の集大成なのではないでしょうか。

でも、この後、『わたしを離さないで』で、もう一度18歳くらいの高校生相当の役をやってる春馬君。
この時の作り込みは、20歳で風早君を演じた時とは雲泥の差で、日々積み重ねていたものがどれだけ人並外れたケタ違いだったのか、見せつけてくれるのだけれど、ね。

超難敵爽子に挑む風早君の存在感

春馬君は、いろーんな女優さんといい感じの関係を演じてますが、爽子ほど難関のキャラクターはなかなかない気がします。

風早君が、どんなに親切にしても、どんなに気があるそぶりを見せても、なんなら告白しても、まったく暖簾に腕押しの爽子。

春馬君のやる役って、「春馬君の方が惚れていて、頑なな女の子の心を開かせ、最終的に自分の方に振り向かせる役」が多いのは気のせいじゃないと思うのですが、この爽子は、その中でも、「頑な度ランキング」ナンバーワンじゃないかと思うのです。しかも天然で、恋愛感情にはめちゃ鈍い。
なんてったって、クラスの人気者、風早君が手こずるのだから、かなり手強いです。

で、観てる人はみんな、風早君を応援したくなっちゃう。「爽子、気づいて!」と祈るような気持ちで。

観てる人をそういう気持ちにさせるのは、ひとえに、風早君の爽子を追う視線なんじゃないかと思います。
物語前半の、爽子にだんだんと惹かれていく風早君の視線は、本当に幸せそうで楽しそう。後半、爽子の事が好きだと自覚した風早君が、爽子の言動や行動にいちいち一喜一憂する度に爽子にむける視線もいい。

もはや、演技なのか、本当に楽しんだり落ち込んだりしているのか、その境目がわからないくらいで。

爽子を見つめる風早君だけがアップになっているシーンが幾度となくあるのですが、その視線の先にいる黒沼の可愛い様子が想像できちゃうくらい、本当に幸せそうな風早君。

超難関爽子にアピールしようとしては、間が悪い風早君ですが、あの視線の送り方は、観てる人みんなを幸せにするんですよ。
あの視線の先に、自分がいたいってついつい思っちゃう。あ、それは、さすがに図々しいですが(笑

それはともかく、キャラの濃い爽子とのバランス的に、爽やかイケメン役は、やりすぎると鼻につくし、控えめすぎると鈍い爽子が心を奪われる相手としてパンチが足りなくなってしまう。
どのシーンでも、ほんとにそのバランスを考えて演じているなと言うのが伝わってくる風早君。
これは、やはり20歳の春馬君で正解だったんだなと思わずにはいられません。
ふつーを演じるの、決して容易い事ではないと思うので。

長くなってきたので、続きは後編で。

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