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友達をもう一度

今回は障害を持つ友人のお話です。

【友達をもう一度】

彼には友達がいました。
よく遊んだ友達、一緒に歌った友達、価値を競った友達。
何人の友がいたのか、多かったのか少なかったのか、今の彼しか知らない僕は、その友達を知りません。
ただ確かなことは、彼には「友達がいた」ことです。

彼には大好きな先生がいたそうです。
小学校の先生です。
彼はその先生の家へよく遊びに行っていました。
卒業してからも、毎年1回は必ずです。
事故で生死をさまようことになる時まで、先生の家に「集まり」ます。
最初は1人、次は2人、次第に3人4人……気が付けば○人もの友達と先生の家に遊びに行きます。

彼は声かけから日程調整、案内に至るまで全て自分で取り仕切り、友達をまとめていたと言います。教え子が毎年こんなにも集まって会いに来てくれるなんて、先生も嬉しかったことでしょう。彼はこうした人との繋がりをとても大切にする人間でした。

その彼は今、「今の俺には友達がおらん」とうつむきながら嘆いています。事故後の連絡も取っておらず、生存報告もしていません。事故で失った時間、機能、記憶力、そういったものと向き合いながらも、「友達」を作り直すことは諦めかけてしまっています。

違う!
そうじゃない!
友達は決して居なくなってないはずです。
友達は消えてなくなったわけじゃない。

「友達が居ない」と思い込んで、彼自身が友達を遠ざけているんじゃないのか?

事故後病院に運ばれて意識の無かった数ヶ月、お見舞い客が耐えませんでした。
彼が生きているのを知って、遠路はるばる関東から彼の自宅のある関西まで会いに来てくれた方もいるそうです。
これを友達と言わずしてなんとする!

一度でいいから昔の友達に連絡を入れてみろ!

諦めるならそれからだ!



……熱くなりました、反省します。

以上、彼の友達だと思っている人間の一人でした。

障害や負い目があって自分には友達が居ないと思い込んでいる方は、もしかすると周りの人はそこまで悪くは思ってないかもしれません。

ただ連絡を取っていないというだけならば、勇気を出して一度連絡を取ってみるのはいかがでしょうか?
そこからまた、縁ができるかもしれませんから。

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