Sig-Score. #22 『風花』
こんにちは。Sig-Rick.です。YouTube、ニコニコ動画にてボカロPやってます。
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今回も楽曲解説やっていきます。今回は22作目、『風花』です。まだ聴いていない方は以下のリンクからどうぞ。↓
この楽曲は、当初「ボカコレ2024夏TOP100」に向けて制作した曲ですが、ご存じの通り中止になってしまったため、ニコニコ復帰の「ぼかえり2024夏」に合わせて投稿した形となります。ボカコレに向けて何曲か違うパターンでラフを作ってみたのですが、せっかくだしバラードで勝負してみようかなと思い立ち、このような曲になりました。がっつりとバラードを作ったのは多分初めてでしたが、いかがだったでしょうか。ほかの候補曲も、そのうち形にできたらいいな。
この楽曲は、全編を通してバンド感を控えめにして、ピアノやストリングスによるアレンジをメインにしています。バラードを作ろうと考えたときに、赤乃わいさんの『陽だまりのセツナ』がとても好きなので、そこを目指そうという方針になりました。今まで作ったことのない曲調と使ったことのない編成だったので、けっこう苦戦しましたね。
バンド感を抑えたバラードとは言いましたが、要所でギターを押し出すことでメリハリを意識しています。結局こういうところにも、ONE OK ROCKから受けた影響がでているのかなあと思います。(Wherever you areとか、Broken Heart of Goldとか)
この楽曲は、詞にとても重きを置いています。これまた僕の楽曲では珍しく、物語を描いています。ここからは、そこについて解説していきます。
とあるボーカロイドと、マスターのお話。
マスターが自分の前に姿を見せなくなってしばらく経ち、そのボーカロイドはマスターの帰りを待ち続けています。
日が沈み、また昇り、季節が巡ってゆく。繰り返す日々の中で、そのボーカロイドの頭に、少しずつとある考えが芽生えてきます。「マスターは、本当はもう帰ってこないのではないか」と。マスターと過ごした思い出だって永遠ではない。少しずつ過去のものになってゆくことに対し、そのボーカロイドは今までに感じたことのない気持ちを抱くのです。
マスターと過ごしていたときは、「たのしい」とか「うれしい」とか、そういう感情を抱いていたものですから、ここで初めて、「失うのが怖い」という感情を知ることになるのです。それでも、その感情の名前を教えてくれるマスターはもういない。名前の分からない、冷たくて重い感情を抱えていくことになります。
本当は心のどこかで分かっている。マスターは自分を置いてどこかに行ってしまったこと、もう帰ってこないかもしれないこと。それでも、いつかマスターからもらった優しさや温もりを大切にしまいながら、マスターが置いていった歌を歌いながら、再びマスターと過ごすことができる日々を願うのです。
曲自体に込めた物語としては、こんなところです。
歌詞の中に「貴方がくれた白詰草の冠」が出てきますが、シロツメクサは贈り物によく使われる花で、花言葉には「愛」「希望」「信頼」といった言葉があります。(三つ葉の場合)
少しずつ風化してしまう思い出に、マスターから受け取った愛を重ねることで、それは儚くも美しい想いとなる。楽曲タイトルの『風花』には、そういった意味を込めています。
お察しの通り、この楽曲は「引退したボカロPとそのボーカロイド」のお話です。本来ボカコレに出す予定だったので、その想定で曲を作っていました。そのときに、どういった題材にしようと考えていた時にふと思ったのが、「ボカコレってたぶん1年で1番ボカロPの引退者が多くなるイベントだよなあ」ということです。自分自身、1年前のボカコレで引退を少し考えた身でもあり、ろくな実力や実績もない自分から言えたことではないと思いますが、やっぱり活動者にはそんな簡単に折れてほしくないという気持ちがあるんですよね。応援してくれている方だって必ずいるし、何より自分の曲を歌うためにPCに来てくれたボーカロイドがもう歌うことを許されなくなるのが、なんとも切ないといいますか。今回の物語には、そういったメッセージも込めています。
今回の楽曲は、MixをHATTY.Gさんにご依頼させていただきました。前回の冬ボカコレで聴いた『女王蜂ノ百鬼夜行』という曲がとてもかっこよくて、Bassがしっかりと出ていて自分好みのMixだったこともあり、いつかMixをお願いしたいなと思っていました。めっちゃいい曲にしていただきました。HATTY.GさんのTwitterを貼っておくので、要チェックや。
解説はこんなところでしょうか。バラードは今後も少しずつ作っていきたいわね。
それでは。
-Credit-
サムネイルイラスト:さざなみ 様
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