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「スーパーマンじゃないと出来ないんじゃないか」とのメッセージから感じたこと

こんばんは。
先日、12/11のNHKの朝のニュース「おはよう日本」で「女性研究者は増やせるか 東北大学 准教授の1日に密着」という特集がありました。

この特集の中で一番印象に残ったのが
「スーパーマンじゃないと出来ないんじゃないか」
という佐藤恵美子准教授の言葉でした。

記事を拝見する限り、5歳と10歳のお子さんを育てながら、夫婦で家事を分担し、乳幼児期は大学施設内に託児や病児保育などの施設も用意され、子育てする上での体制は整ってそうに見えますが、制度が整っていても、そして、よほどのタフネスだとしても、息切れしながらも必死に頑張っている姿が垣間見えました。

そして、その姿を見る学生の言葉。
「先生の姿をみて、家事や育児をしながらやっている方もいるんだなと思ったのですが、自分ならできるのかというと正直イメージしずらいです。」

そして、学生たちは研究室には残らず、民間企業などに就職するケースが多いのが実情とのこと。

朝、バタバタしながら見た時は「スーパーマンじゃないと出来ないんじゃないか」と第一線で頑張られている方が発信することが、とても大事なことだし、どんどんアピールすべきだと思いました。

でも、記事を読み込むと、そんな単純なメッセージではありませんでした。

民間企業よりも、もっとジェンダーギャップが大きく、研究(労働)環境も過酷で、子育てをしながら30代、40代を研究に注ぐことが出来るのは、本当に一握りのスーパーマンじゃないと乗り越えられない、とてもそこでやり遂げる自信を持てない、書いていても辛くなるような場所なのだと思いました。

それは、出産がある女性の方が一時期離れるという点で、確実に不利な環境ではありますが、子育てもしながら研究も続けたい男性にとってもしんどい場所のように思います。

日本のノーベル賞受賞者のスピーチでも「妻の支えがあって」という印象が強いし、NHKのテレビ小説「らんまん」の牧野富太郎教授も妻の多大な貢献があってこそ研究を続けらていたように、研究のみにコミットしないと成果は出せない、と私の頭は認識している、と改めて思いました。
それでは、研究職を続けられる人は本当に限られた人になってしまいます。

研究者に占める女性の割合ですが、日本は17.5%。トップのラトビアは50.6%、さらに、教授などの上位職に進むほど、女性の数が低くなっているそう。
これらの現状を受け、東北大学は課題解決に向けて研究体制を大きく見直そうとしています。

また、記事のなかで女性研究者の現状に詳しい専門家によると、一つの大学だけではなく、日本全体で女性研究者を増やすには、「アンコンシャス・バイアス」を無くしていくことが大切だと。

「家事や育児、介護など家のことをするのは女性だという固定観念を男性はもちろん、女性も変えるべきだとして、働き方改革を進めて負担を分かち合う必要がある」と。研究職に限らずの内容ですね。

また、「国や政府にはもっと強力にバックアップしていただきたいと思います。例えば、女性の研究者の比率が、国が掲げる数値目標の数字に届かなかった場合には、大型の研究費に応募するのが難しくなるとか、大学に対してはそうした厳しい制度も必要なのではないかと思います」とも。
日本人女性初のノーベル賞の可能性についても、まずは数を増やさないと、と。

大学に限らず、企業においても管理職の女性比率を高めていける余白がたくさんありますから、女性が活躍する場はこれからたくさんありますね。
そのためにもまずは自分の意識を変えていくこと、家族の意識を変えていくこと、身近なところから。

木下斉さんも
「東アジアは女性の力がすべての鍵【1/2】3次産業発展の可能性が無限大」
とおっしゃっていますしね。


一つの番組として、しっかり取り上げて欲しいと思う内容でした。



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