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2024/01/11  19回の暗殺未遂、バングラデシュ総選挙で勝利したハシナ首相続投へ 気になる人物

こんばんは!
1月7日にハシナ首相の政党であるアワミ連盟が定数300の議会で222議席を獲得し、与党圧勝に終わったバングラデシュ総選挙
日本でもすでに報道されているが、周辺国であるインドでは注目が高い。
今回は4期目続投が決定したシェイク・ハシナ首相にフォーカスして、彼女の半生を紹介していく。
題にもある通り、実に19回の暗殺未遂に会い、そのたびに生き残ってきた。
彼女はなぜそれほどまでに標的にされ、いかにして権力の頂点に立ったのか。

他のメディアでは取り上げられないようなインドの「深い」ニュース記事を取り上げ、「リアルなインド」を皆さんに紹介していく。
皆さんの意見があったら、ぜひコメントで教えてほしい。


1975年8月15日

まだ人々は寝る前、ダッカの大統領公邸に銃声が響いた。
軍の将校が公邸に押し入り、バングラデッシュの大統領シェイク・ムジブとその家族を銃殺した。
軍事クーデターである。
家族で生き残ったのは2人の娘だけであった。シェイク・ハシナとシェイク・レハナ。
この瞬間からシェイク・ハシナの運命は大きく変わる。
亡命、帰国、逮捕、そして権力の頂点へ。


誕生と独立

ハシナは1947年、当時パキスタンの自治領であった東パキスタンで誕生する。
後にバングラデッシュの大統領となる父はパキスタンからの独立を訴える活動家であり、彼女が小さいころから何度も政治犯として逮捕されていた。
そんな父の影響もあり、学校では当時の自国の大統領 アユーブカーンをパキスタンの独裁者と呼んでいたり、大学では学生組合の副会長に就任するなど政治活動を行っていた。
1967年には原子力学者のMA・ワゼド・ミアと結婚する。
バングラデッシュ独立前夜、獄中にいる父親と仲間の連絡係として、父を支えた。
西パキスタン軍(現在のパキスタン)との激しい戦闘が続き、インド軍の介入もあり、1971年についにバングラデッシュは独立する。


天国から地獄へ

1971年に息子を、72年には娘を出産。
国際的な圧力もあり、パキスタンは父ムジブを釈放し、1972年に大統領となるなど、すべては順調そのものであった。
1975年6月、夫の仕事のため、家族との挨拶を済ませ、ドイツへ向かった。
これが家族を見るのはこれが最期となった。
その2か月後、家族は軍事クーデターによって惨殺される。


亡命から野党リーダーへ

クーデターの数日後、身柄の安全を求め、ニューデリーへ向かった。
そして、インド政府が亡命を受け入れ、新しい家・新しい名前で、インドでの亡命生活が始まった。
亡命先から軍事政権への批判を行った。
1981年、父親と同じアワミ連盟の党首に選出され、同年10年ぶりにバングラデッシュへ帰国する。
帰国後、何度も自宅軟禁される。
1986年に軍の戒厳令下での総選挙が実施、アワミ連盟は100議席を獲得し、野党のリーダーとなる。
しかし、公平な総選挙の実施を求めたため、軍は弾圧を強め、80人が殺害される。
彼女の車は軍のクレーンによって破壊された、彼女は中にいたが、命からがら脱出する。
この後、実に19回も命を狙われたハシナだったが、いづれも未遂に終わり彼女は生き延び続けた。


首相から刑務所へ

そしてついに1990年に大規模な民主化運動によって、軍事政権は崩壊する。
2度目の選挙によって1996年にバングラデッシュの首相になるものの、2001年の総選挙で下野する。
この下野の後に、野党アワミ連盟への弾圧は苛烈さを増し、ハシナへの暗殺未遂事件が発生し、前閣僚は爆弾によって爆殺される。
2006年の政権与党との交渉が難航し、アメリカへ訪米中に腐敗の罪によって訴えられ、帰国直後に逮捕される。


権力の頂点へ

2008年に釈放され、総選挙にアワミ連盟の党首として参加し選挙に圧勝し、首相に復帰する。
その後現在まで、選挙に連戦連勝し、権力の頂点を極めた。
好調な経済を構築し、南アジアでインドに次ぐ、第二位の経済をけん引し、軍を政治の世界から追放した。
パキスタン・ミャンマーの例を見れば軍を政治から排除するのがどれだけ大変かはわかる。
そして、イスラム過激派を掃討した、これらは過激派が幅を利かせていた少数派地域の人々に圧倒的支持を得る源泉となっている。
一方、自身への反対する1万人もの政治犯を刑務所に送りにするなど批判もされている。


さいごに

反対派の粛清は、野党下野時代に、一度でも権力を失えば、命を危険にさらすことを身をもって感じたためと推察されるが、
選挙に反対派が出ないければ、民主主義は正常に機能しない。
彼女は、人生を通じて権力へ抵抗をし、自由を求めて続け、実際に自らの力で切り開いた、これは評価されるべきだと思う。
しかし、今度は彼女が権力となった、彼女が彼らに何を与えれるのだろうか、注目していきたい。
どの政治家にも良いところと悪いところがあり、今回はハシナ首相を評価することが多いインドメディアの情報を参考にさせてもらったため、
比較的彼女に同情的な情報が並んでいるかもしれない。
彼女ほどの波乱万丈な人生を歩んだ人は世界的に見ても少なく、不謹慎かもしれないが、物語として興味深いと思い紹介させてもらった。
他国の政治家の話は、少々退屈だったかもしれないが、最後までお付き合いいただき、感謝する。

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