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55 みんなで作る恋の一句

国語の時間に俳句づくりをしていることを聞きました。生徒たちは楽しんでいるとのこと。それならばと恋をテーマにした句を詠むことを提案しました。食品メーカーが「恋の一句」(現在は別の名称で実施されています)として募集していたので「応募してみない?」と生徒たち声をかけたところみんな喜んで賛成してくれました。そしてできたのが以下の句です。

・気がつけば あなたを見てる 授業中
・みぎひだり 手ぶくろ分ける 帰り道
・図書カード あなたの下に 僕の名を
・会いたいね 写真を見ては ひとりごと
・行けたらな 君の瞳の 奥深く
・観覧車 二人で見てる 夜の街
・あなた見て 胸が高鳴り 固まるの
・手紙見て あなたのことを 思い出す
・仲良くて 好きと言えない このつらさ
・夏の旅行(たび) 彼に向かって 背伸びする
・知らずにね あなた思うと にやけるの
・君の名を 呼べどあなたは ふり向かず
・うれしいな ちょっとかわした ひとことが
・好きだから あなたの声で 胸痛む
・がらくたも あなたがくれた 宝物
・友達に わざと見栄はり 照れかくし
・青い空 いつもあなたを 思い出す
・寒い日に あなたの心 温める
・意地悪を されるたびに 胸痛む
・好きだから 彼の背中を 追いかける
・クリスマス ワイングラスを あの人と
・君のせい 何でこんなに 酔わせたの
・あの女(ひと)も 明日になれば おれのもの
・一目ぼれ 電車で彼を もう一度
・新学期 あの子はどこの クラスかな
・好きなのに 会えばけんかで 涙色
・あの人を 思うばかりで 伝わんない
・今日もまた 起きてみると 君がいる
・桜散る ぼくの心の 春はいつ

その時の気持ちを詠んだものもあれば、将来の家庭を思い描いたものもありました。お母さんの体験を詠んだという生徒もいました。私の突飛な提案に「いいねー、やろうよ!」と乗ってくれた生徒たち。そして出来上がった恋の一句。どれも素晴らしい作品です。どこにこんな感性が隠れていたのだろうと驚かされました。ちょっと背伸びしているなと思えるような大人びた句、いつも教室を駆け回っている 男子がこんな句を詠むのかと意外に思ったものもあります。思わぬ人の思わぬ句に新たな発見がたくさんありました。今は30代となっている生徒たち。自分の作った句を見たらどんな反応をするでしょうか。


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