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研究成果を学校現場に還元するために

大学院での研究を進めるにあたって私が心掛けたことのひとつが学校現場に役立つ研究をすることです。そもそも私が教員をやめて大学院に入ったのは教員をする中で抱いた様々な疑問や課題を解決したかったからです。そして研究の成果を学校現場に還元したかったのです。

最初に理論の研究を行いました。教員の時は理論など考えずに実践していることが多かったですが、研究を始めて見ると理論の重要性を強く感じました。かつての自分の実践が理論と結びつくことも少なくありませんでした。自分がやっていたことはこんな理論に裏付けられていたのか、あのとき指導がうまくいかなかったのはこの理論に反しているからではないかなどと考えることもありました。理論的裏付けもないままやみくもに実践していた自分に気づきました。

理論の重要性を強く感じた私でしたが、研究を理論だけにとどめることには抵抗がありました。理論を実践に応用してこそ研究の意義があると思ったからです。特に私のように実践から研究に入った者にとって研究成果を実践につなげることは必須だと思い、現場の先生たちに役立つ情報をできるだけ多く伝えたいというのが私の目指すところでした。

研究の成果は論文や書籍で発表しますが、論文は現場の先生たちに伝える道具としては不向きだと感じました。論文を読む先生は少ないからです。何よりも先生達には時間がありません。専門的な用語が並ぶ硬い文章は敬遠されます。博士論文を書籍として出版したときも知り合いの先生たちに読んでくださいと言うのはためらわれました。先生たちはもっと実践に結びつく情報を望んでいると思ったからです。

成果を公表しても読んでほしい人に読んでもらえないのでは意味がありません。それゆえ博士論文を書籍化してから数年後に私は研究の一部を一般向けの書籍に編集し直して出版しました。現場の先生や保護者、さらに大学生や中高生にも気軽に読んでもらえる本になったと思っています。今後はこのnoteでも成果を少しづつ発信していきたいと思っています。


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