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4年ぶりのオーストラリア:多文化主義国家の言語への対応

滞在中に現地の銀行を訪れました。オーストラリアに行くことの多かった私はその都度通貨を両替するのが面倒だったので、現地の銀行に口座を作って必要に応じて現金を引き出して使っていました。でも最近はキャッシュレスが増え、自分自身の終活(?)も兼ねて口座を解約することにしました。

解約に当たっては少し面倒な手続きがあったので、事前に日本からメールで連絡し、アポイントメントを取っておきました。だからなのか銀行に行くと中国系の女性が対応してくれましたが、私に日本語であいさつをしてきました。そして会話は日本語と英語のどちらがよいですかと聞いてきました。もちろん日本語です。複雑な手続きのことなど英語で話すことを覚悟していた私としては日本語でやり取り出来たらすごく有難いです。

彼女は流ちょうな日本語でてきぱきと手続きを進めてくれました。彼女の母語は中国語ですが、英語、中国語、日本語で対応できます。日本に行ったことはなく、日本語はオーストラリアで学んだそうですが、会話にまったく問題を感じませんでした。あとで調べて見ると支店には日本語のできるスタッフが複数いるようでした。さらに日本語以外の言語に対応できるスタッフも配置されており、スタッフがいない場合は電話通訳サービスを使ってやり取りすることも出来ます。聴覚障碍者のためにオーストラリア手話(Auslan)も言語のひとつとして認識され、サービスが提供されていました。


オーストラリアでは多言語への対応が生活のいろいろなところで見られます。テレビをつければ多言語放送をやっていますし、公的な資料も多言語で発行されています。翻訳や通訳のサービスも得られますし、移民のための英語教育が無償で提供されています。

たとえば、オーストラリア政府の内務省(Department of Home Affairs)が発行している小冊子「Beginning a Life in Australia」は移住者に役立つ情報が39か国語に翻訳されています。
          英語版の表紙↓

 出所:Department of Home Affairs

39の翻訳言語↓

出所:Department of Home Affairs


多言語放送局(SBS)のホームページ↓


翻訳・通訳サービス(Translating and Interpreting Service: TIS)のホームページ↓


参考:多文化主義政策としての多様性への取り組みを解説した日経BPのページ↓

日本でも多言語への対応はしていますが多くが英語で、対応はまだまだ限られているように思います。

教育における言語への対応については以下の本にも詳しく書かれています。


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