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自殺を防ぐことは大事だけど...

有名人の死をメディアが伝えるとき、悩み事相談の窓口を合わせて紹介することが多くなりました。当人の死の原因がまだはっきりしない段階であってもです。自殺の可能性が大きいか、あるいは関係者の間では自殺であることがほぼ明らかになっているのかもしれません。でも聞く立場の私は違和感を覚えます。

有名人の自殺は自殺念慮を抱えている人に影響を与える恐れがありますし、「模倣自殺」や「後追い自殺」を誘発する危険性もあります。それを防ぐためにも相談窓口の提供は必要でしょう。厚生労働省もWHOの『自殺報道ガイドライン』に基づいた報道の徹底を呼びかけています↓

《自殺関連報道として「やるべきでないこと」》 報道を過度に繰り返さないこと/自殺に用いた手段について明確に表現しないこと/自殺が発生した現場や場所 の詳細を伝えないこと/センセーショナルな見出しを使わないこと/写真、ビデオ映像、デジタルメディアへの リンクなどは用いないこと

《自殺関連報道として「やるべきこと」》 有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること/支援策や相談先について、正しい情報を提供すること/日 常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道すること/自殺と自殺対策に ついての正しい情報を報道すること

「WHO 自殺報道ガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/content/000526937.pdf)より

私が疑問に思うのは死の原因がはっきりしない段階で相談窓口を伝えることです。自殺であることを前提に伝えられているように聞こえます。他への影響を避けたいという気持ちはわかりますが、あまりにも先回りし過ぎているような気がします。はっきりしてからでは遅いのでしょうか。相談窓口があっても相談できない人がいることも考えるべきでしょうし。

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