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ドラマが始まる予感 これだって立派なシックスセンス


 誰かを好きになると、何故かあらゆる事を、運命と結びつけたくなってしまいませんか?
私だけじゃないはず。
 自分が生きて、過ごす世界は、ドラマチックな方が絶対楽しい。
 恋愛は何気に苦手なタイプですが、それなりに恋の季節はやってくる。
18才の私は彼に、いいえ恋に恋していた。

<ここからドラマが始まります>

 その日は妙に電話がしたくて、というか気になってしょうがない状態でした。
思う間もなく、受話器を握りしめていた私。
 受話器を耳にあて、ダイヤルを回そうとしたとき、いつもの“ツゥ-“という音がしなかったのです。
(あれっ?)と思っていると、向こうから「もしもし…」と、彼本人が話し掛けるではありませんか。
「え-っ⁈何これ⁇」「どういう事…⁈」「繋がってる?」とあたふたしてしまいました。
電話してないのに繋がってるんだけど、と言うと笑いながら「俺はダイヤル回したよ!…」と。
 この一瞬というのは、奇跡と言ってもおかしくないですよね。
運命を感じずにはいられない瞬間でした。
ベルの音が聞こえないのに、何かを察知して電話を手にした。
それくらい、ふたりの心は通じあっていたという事でしょうね。

 また、友人とニセコへスキーに行っていた時の事です。
スキ-を楽しんでいる最中に、突然首から背中にかけて、ビリビリと電気が走ったような感覚をおぼえました。
その瞬間に(いる!!)と感じました。
彼が近くにいると察知したのです。
その時も考えたのではなく、不思議な感覚としかいいようがありません。
 何度も後ろを振り返ったけど、周りにはゴ-グルをかけ、スキ-ウエアーを身に着けて、帽子を被った人ばかりです、彼を見つける事はできませんでした。が後日、電話で確認したら、彼もニセコへスキ-に行っていたそうです。
 間違いない!これはもう運命でしかない!と確信しました。
そのくらい私達は、当時は心が繋がっていたのです。
そのまま繋がっていられたら、ふたりは幸せになっていたでしょうか?

 神様が、引き合せてくれた運命だったとしても、色々あるのが人生です。
繋げる努力も必要だし、なんでそうなるの?という事も起きるわけです。
或いは、もっと広い世界を見て見たいという好奇心から、タイミングが合わなくなったりする事もあるでしょう。

 ドラマが始まる予感が大好き。
年を重ねても、それは変わらないでしょう。
そして神様は何度も試してきます。試され慣れて、少しずつ大人になっていく。
私も、そしてあの時の彼も、今は別々の幸せな人生を歩んでいる最中です。 

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