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世界激走 オーストラリア編1

世界の中心はもう登れない

とあるドラマ(小説)で有名になったエアーズロックは、2019年10月26日より登山禁止となりました。
初めての海外旅行先となったオーストラリアにあるエアーズロックは、僕にとって、ものすごく思い入れが強い場所でもあったので、1984年にオーストラリアを旅したときに一度登ってはいたものの、どうしても、もう一度登りたかったので、2019年8月に、慌てて、オーストラリアに行きました。
で、まずは1984年の話。
プロローグ
1984年にオーストラリアを旅したときは計画段階から、暗雲が立ち込めていました。
日本を車で一周していた僕は、世界中を車で走りたいと思っていて、まずはオーストラリアを選び、オーストラリアも一周しようと決めた、それでオーストラリア観光局に情報集めがてら、行って、オーストラリアを一周したいんだけどと聞いたところ、けっこうな剣幕で、危険なので、、絶対にやめてください、オーストラリア人でもそんなことをする人はいませんと止められてしまいました。
でも、大きなオーストラリアの地図をもらい、、家に帰ってよく見てみると、いちおう、オーストラリア外周と内陸部エアーズロック辺りまでは、
道があり、場所によっては、300キロ以上離れてはいるが、町が点々とあるのが確認でき、確かに砂漠には、毒蛇やディンゴと言われる野犬などがいるとは聞くが、車で移動するし、そんなに危険さは感じず、僕は大丈夫だろうと高をくくっていました。しかし、現地に行った後、その危険だという意味をまざまざと思い知らされることになります。
出だしからトラブル
そして出発の日、もともとは、一人で行こうと思っていたのだが、大学の同級生のTが運転免許も持っていないくせに、一緒に行きたいと言い出し、レンタカー代とガソリン代が半分になると考え同行することにしたのだが、当日の待ち合わせの時間にTが現れせん。
携帯電話など無い時代、やっとのことでTと電話が繋がると、弱弱しい声で、教授が行ったら留年させるというので、行けないとか言い出しました。
僕たちは工学部の学生で、卒業研究発表で、忙しい時期であるのは確かですが、僕は、そんなことは、気にもせず無視でしたが、T君はビビってしまったのです。
僕は、瞬間的に血が頭に昇り、怒鳴りつけたが、現地で必要な書類で彼が持っているものもあるので、来ないと困るのです。僕は、根気強く説得し、行くことを同意させました。
しかし、成田に着いた時には、既に飛行機の出発時間になっていて、絶望的でしたが、シンガポール航空のカウンターに行くと、係の人が待っていてくれ、嫌な顔一つせず、てきぱきと手続きを済ませ、付いてきてくださいと言われ、ダッシュで、その人の後を追いかけ、どこをどう通ったか分からず、
気が付いたら、飛行機に乗り込みシートに座っていました。
まさか、僕たちのことを待っていてくれたわけではないと思いますが、あまりの係の人の手際の良さに感嘆し、これから海外に行くときは、必ずシンガポール航空で行こうと強く思いましたが、今では、すっかり、ANAのマイラーになっています。
なんとか出発までこぎつけ、安いチケットだったので、シンガポールで乗り換え、オーストラリアに行く便は、翌日の出発なので、やむなく記念すべき海外での1泊目は空港で野宿でした、翌日の夜の便でオーストラリアに向かいました。

シンガポール空港で1泊

やっとオーストラリア


オーストラリアまでの便は、夜行便だったので、窓の外は真っ暗でしたが、オーストラリアと思われる上空で、飛行機の窓から、無数の稲光が見え、夏には、豪雨で道が川になってしまうとも聞いていたので、本当なんだと背筋がぶるっとしました。
しかし、シドニーに降り立つと、天気は快晴で、ホッとしました。
レンタカーを借り走り出すと、すぐに草原の風景になり、翌日にアデレードを過ぎ、ナラボー砂漠に入ると、地面は赤土になり、果てしなくまっすぐな道が続き、ほとんど人が住んでいない世界になります。
夜などは、対向車が来ると、とにかく真直ぐな道なので、ヘッドライトで分るのですが、見えてから、100キロ以上で走っているのに、数十分以上すれ違うまでに時間がかかります。

衝撃の事実


日中も、トラックを含めすれ違う車の数は、数台程度、ですので、どのドライバーも、すれ違いざまに、必ず、大げさなジェスチャーで、大きく手を振る、それがマナーになっているようなので、僕もそれに倣い、すれ違う時は、大きく手を振るようにした。シドニーからパースに行く間には、ナラボー砂漠が横たわっていて、そこを延々とパースに向け走るのですが、地図には、町があったはずなのですが、行けども行けども町が出てきません。
そして、衝撃の事実に気が付きました。地図に記載されているのは、町ではありません、ガソリンスタンドの名前だったのです。
凄いところに来たんだなと実感しました。ガソリンスタンドがあるだけで、他には何もありません、人なんか住んでいません、少しづつ観光局の人が言っていたことが分かってきました。
たまに車を停めて、写真を撮っていると、通りすがりの車の人が、トラブルかとみんな必ず声をかけてくれていたのは、

初代ファミリア

車が故障していると、命にかかわることになるからなんだと分かりました。
ちょっとしたトラブルが命の危うさに直結する世界なんだ。
でも、僕はやってしまいます。








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