見出し画像

第8話 短期間のクラスメイト

少し前に
娘の同級生が事故で亡くなった
まだ高校生

娘は小学校低学年の時に
その子とよく遊んでいたが
それ以降は疎遠だったにも
関わらず
当たり前だが
かなりショックを受けていた

私も幾度となく
(普通なら無くてよいのに)
同級生や友人を亡くした
記憶があるのを思い出した

1番最初は
幼稚園の年長さんの時だった

その子は
転園して来た子で
初めから車椅子で点滴をしていて
お母さんが幼稚園の間
ずっと付き添っていた

幼稚園では
足し算引き算をする
パズルゲームがあり
終わった子から
園で1番広いプレイルームで
遊んで良いことになっていた

私はそのパズルゲームが
とても得意だったので
1番に飛び出して
プレイルームに向かった

すると
その子とその子のお母さんが待っていた

お母さんは私に
「すごいね」と言ってくれた
私は頷いて
プレイルームにたくさん
転がっている大きくて柔らかい
三角や四角のブロックを
組み立て始めた

すると
その子がブロックを欲しいと
お母さんに促し指を差した

お母さんは何故か
困ったような顔をしていたので

私がそのブロックを走って取りに行き
その子に渡すと
にっこりと笑ってくれた

お母さんは
「ありがとう」と言って
泣いてしまった

私はびっくりしたけれど
知らないフリをして
またブロック遊びを始めた

その頃には
他の子たちも
プレイルームに集まってきた

それから程なくして
楽しみにしていた
運動会の前日に
母が言った

「明日の運動会の前に
朝、幼稚園の先生と一緒に
行ってきなさい」

「え?」

それ以上聞くと
母の機嫌を損ねそうだったので
言われた通りにすることにした

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?