![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/125993877/rectangle_large_type_2_b1a8b4e868eab72a7ccd8efca2edc946.png?width=800)
Photo by
medetaico
「冷凍イカ、イカロスの翼になる7」
俺はイカ。だけどイカ以上。今、凧の上にいる。そして自分で操ってる。
風を捉え、えっさほいさ。気流を捉え、えっさほいさ。風船を避けて、えっさほいさ。
案外、うまくいくもんだ。
しかし、妙に体が熱いな。これが解凍か?いや、凧が太陽で熱せられて熱くなってる!
これがイカロスの翼というのか?これがイカロスなのか?誰か教えてくれ!
熱い。体にあったなけなしの水分が抜けていく。俺が干からびていく。
ああ、これが焼きイカか。俺はようやく焼きイカになるのか。そうして誰かに食べられるのか。そうだ。食べられるのだ。そうすれば俺はただのイカになれる。
俺はイカ。ただのイカ。このまま食われるのだ。
あれは、小さい人間。そうだ、俺はあそこにこの凧を落とそう。そして、よければ俺も食べてもらおう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?