チ、ヨ、コ、レ、イ、ト

私の口に入らずとも、せかいのなかのひとつのしたが、唾液をまぜ、身体のなかのへやのすみずみに行き渡り、一方はとじたまま、一方はとびらを開け放ち、またその一方は、綿のひろばにすみかをかえ、またそうでないものは、人の作ったひかりを飲み込んで吐き出し、そのまま空へ帰るのだとしたら。それでいい。ふた差しゆびを出せなくてまけてもそれは幸せなことなのだ、箱の中のビニールの中で寝かしつけられているより、よほどだ。

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