67 仏教は「生きることの科学」
仏教というと、ほとんどの人は「宗教」と思っていることでしょう。でも、仏教は「宗教」ではありません。いわば「生きることの科学」といったらいいでしょうか。ブッダは正しく「生きる」ことを伝えたのです。信仰ではありません。自らが実践して、たしかめて納得する道を伝えました。どんなひとでも、教えに従ってちゃんと実践すれば、きっちりと納得のいく答えをつかむことができる。それには例外がありません。そのような意味で、「科学」といえるのです。ところが後のひとたちが、信仰というかたちで、仏教を宗教にしてしまったのです。ひとは生きることが不安で、なにかにすがりたいんです。それが宗教の生まれる原因ですね。でも実際のところ、生きるうえで信仰する必要はないんです。わたしたちはご飯を食べますが、ご飯を信仰はしていません。病気になったら、お医者さんのところに行きますが、お医者さんを信仰はしていませんね。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第2章 仏教の教えを理解する《仏教》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【スマナサーラ長老の仏教塾(2016年) p34】
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