横谷茂

2017(H29)にテーラワーダに出会いました。定年退職を機に仏教ライフをしています。…

横谷茂

2017(H29)にテーラワーダに出会いました。定年退職を機に仏教ライフをしています。札幌でダンマサークルをやってます。 https://sapporodhamma.wixsite.com/sapporodhamma

最近の記事

27 欲を妄想で養うと精神が壊れる

 現代人は、実にいろいろな贅沢を知っています。おいしいもの、楽しいこともそうですし、洗濯も掃除も機械おまかせで、楽ができます。  あまりにも贅沢をしてしまうと身体が衰えてしまいますね。退化します。進化しません。身体だけでなく、頭も同じです。欲をあまりにも妄想で養うと退化してイカれてしまいます。精神的な病気になってしまいます。 『一瞬で心を磨くブッダの教え』第1章 私たちの悩みを解決する《欲》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【欲ばらないこと 役立つ初期仏教法話13 (

    • 26 ケチも煩悩である

       やたらと使いすぎたり「欲しい、欲しい」と思うのが悪いということはわかりやすいと思いますが、「あるのに使わない」というのもとんでもないことです。  必要なものがそろっているのにそれを使わないことを、「ケチ」といいます。お金の余裕があるのなら、それなりの生き方をしなくてはいけません。ケチは駄目です。  実は、欲が狂ってしまうとケチになるのです。ですから度を越して使わないケチも、欲と同じように心を汚し、不幸へ導く煩悩です。  ある程度、「中道」的に楽に生活した上で、残ったお

      • 25 身体偏重の現代社会

         現代社会は、欲で心が病気になってしまう条件が見事なまでにそろっています。  「生きることは肉体と心の共同作業」ですが、あまりにも世の中全体が「身体」に偏っているのです。たとえば、デパートにはものすごい数の品物がありますね。カバン一つにしても、たくさんのテナントが入り、それぞれのブランド名のカバンを売っています。  世の中がそうだと、買い物をする人は異様に身体のことを気にするはめになってしまいます。ちょっと行き過ぎなのです。皆さんの身体への関心には、すさまじいものがあるで

        • 24 欲によって、不安が生じる

           欲を、心が汚染されるプロセスとしても見ることができます。順番に見ていきましょう。  欲があると、欲しいものが手に入ってからも心に不安が生じます。「取られるんじゃないか」「バレるんじゃないか」「殺されるんじゃないか」など、いろいろです。  誰かが資産を大量に持っていても、誰にも欲がなければ取られる不安は生じません。しかし、この世は欲の世界で、みんなが手に入れよう、手に入れようと奪い合っていますから、持っていると心配は尽きないのです。  この心配が、あらゆる悩み、恐怖、嫉

        27 欲を妄想で養うと精神が壊れる

          23 必要という基準で生きる

           「欲しい」という感情を避けて、「必要」という基準で生きる。必要なものであれば、いとも簡単に得られます。  この世界がなぜゴチャゴチャなのかといえば、誰もが「欲しい」で生きているからです。「必要」で生きれば、世界はいつでも満たされています。  仕事も、「必要」という基準でしてみてください。ものすごく楽になります。部下にも「これが必要だよ」と言えば、やってくれます。格好をつけるために朝七時に出勤しなくてもよいのです。もし仕事がたくさんあって「これが必要だけれど、朝七時ぐらい

          23 必要という基準で生きる

          22 怒るのではなく、微笑んでみる

           ぜひ、このように考えましょう。「私は人生に勝ちたいのですか? 負けたいのですか? 成功 したいのですか? 失敗したいのですか?」と。  答えは明確です。人生に勝ちたいのです。負けたくはないのです。成功したいのです。  この希望を叶えてくれる、魔法の杖があります。何があっても、怒るのではなく微笑んでみるのです。  「怒りは黒魔術で、慈しみは白魔術だ」と思いましょう。怒りの黒魔術の場合、その呪いは自分のところに向かってきます。慈しみの白魔術の場合は、暗いところにまぶしく輝

          22 怒るのではなく、微笑んでみる

          21 感謝は怒りの解毒剤

           感謝とは怒りに対する解毒剤の一種です。  仏教が推薦する感謝は、明確で具体的なものです。食卓に夕食のごちそうがそろったら、皆単純に「いただきます」と言いますが、それはマナーにすぎません。自分が食べることだけを気にしているのです。今度はぜひ、食卓に座ったら「お母さん、ごちそうを作ってくれてありがとうございます。お父さん、毎日頑張ってくれてありがとうございます」と言ってみてください。  おそらく恥ずかしいと思うでしょう。それがポイントです。一回やってみたら、奇跡的なほど、両

          21 感謝は怒りの解毒剤

          20 「私は正しい」と思うから怒る

           怒らないほうがよいとわかっているのに、我々はなぜ怒るのでしょう。  人間というのは、いつでも「私は正しい。相手は間違っている」と思っています。それで怒るのです。  「相手は正しい。私は間違っている」ということも答えではありません。事実は、私も相手も不完全です。したがって、「正しい、間違っている」という判断は成り立たないのです。  私も、他人も、誰も完全ではありません。「完璧にうまくいく」ということはあり得ないのです。  もちろん、物事をいい加減にしてしまうのはよくあ

          20 「私は正しい」と思うから怒る

          19 怒る条件がそろっていても怒らない

           みんなが自分のことを褒めているときに怒らないのは、当たり前ですね。そういうときに「私はあまり怒りません」などと偉そうなことを言うのは感心しません。条件がそろえば、すぐに怒ってしまうかもしれないのですからね。怒る条件がそろっていないときに怒らないのは、別に褒められるほどのことではありません。  本当に「怒りがない」ということは、怒る条件がそろっていても怒らないことなのです。みんなにけなされているときでも、ニコニコできることなのです。  そのような心はどうすれば持てるのでし

          19 怒る条件がそろっていても怒らない

          18 ノコギリで切られても怒らない

           お釈迦さまは「たとえば、恐ろしい泥棒たちが来て、何も悪いことをしていない自分を捕まえて、『こいつを切ってみよう。面白いよ』とそれだけの理由でノコギリで切ろうとするとしよう。そのときでさえ、わずかでも『嫌だ』と怒ってはいけない。わずかでも怒ったら、あなたがたはブッダの教えを実践する人間ではない。だから、仏弟子になりたければ、それぐらいの覚悟で生きてほしいのだ」とおっしゃいました。なぜならば、怒りは人間にとっては猛毒だからです。それくらいお釈迦さまは、怒りというものを人々にコン

          18 ノコギリで切られても怒らない

          17 怒りを観ることができたら、瞬間に消える

           怒りとは自分の中から生まれるものですから、解決方法は、「毒そのもの」を抜くことしかありません。  ヴィパッサナー瞑想法でいう、「今の瞬間の自分に気づくこと」です。それが世の中でいちばん科学的な、怒りの毒を抜く方法なのです。  最初は、「人が何かを言うと、すぐに怒ってしまう」というところまでは仕方ありません。でも、それからも延々と人の言葉に振り回されるのではなく、怒った瞬間に「これは怒りだ。怒りだ」と観てください。そうすると、怒りは生まれたその瞬間に消えてしまうはずです。

          17 怒りを観ることができたら、瞬間に消える

          16 自分を客観視するトレーニング

           自分のことを他人のようにして見る訓練をする必要があります。仏教の観察瞑想というのは、その訓練です。  特別なことはしません。ただ、自分の身体の感覚を、そのまま客観的に観ていくのです。その訓練を続けると、すぐにできるようになります。しかし、少し訓練をしないと、自分のことを他人のことのように見ることは難しいです。  みなさん、ぜひ、やってみてください。いつでも、自分のことを他人のように見るのです。たとえば、自分の姓が田中だとしましょう。「私は悩んでいる」とは言わないで、「田

          16 自分を客観視するトレーニング

          15 怒りを返した人のほうが罪が重い

           よく覚えておいてください。誰かが来て皆さんに怒りをぶつけたなら、皆さんはおそらく怒り返すでしょう。そのとき、どちらのほうがより悪いかというと、怒りを返した人のほうなのです。  ちょっとびっくりするかもしれませんが、仏教心理学から言うとそういう結論にならざるを得ないのです。いったいなぜ、怒りを返した人がより悪いという結論になるのでしょうか。  まず、人の話を聞いて怒ったでしょう。それで、もう心は汚れています。心を汚したことは一番目の罪です。それから、相手に怒りを返すでしょ

          15 怒りを返した人のほうが罪が重い

          14 怒りの炎をすぐに消す

           放火犯人にならないでください。  もし何かの理由であなたの心に怒りが起きたら、「火種が現れた」と真剣に思ってください。あなたの妄想は、小さな火種の燃料になってどんどん燃え始めるのです。  ですからチェックしましょう。どのように考えれば、火種の燃料になるのか。どのように考えれば、火種を消してしまう水になるのか。これはあなたの宿題です。  あなたの心に現れた怒りの火種が自分を焼き始めたら、必ず周りにも移って延焼し始めます。周りも怒りに狂うようになります。あなたが放火犯人で

          14 怒りの炎をすぐに消す

          13 心が管理する身体

           あなたの身体の調子は心の管理の結果です。  欲と怒りがある人の身体は重いのです。怠け心のある人が歩くときに階段を見たら、「階段だ。ああ、嫌だ。これを、よっこらしょと上らなければいけない」と思ってしまいます。それで「ひざが痛い、足が痛い」ということになるのです。  これが子供だったら、「ああ、階段だ!」と面白くなるのです。何のことなく、どんどんと上がっていくのです。皆さんにも経験があるでしょう。気持ちが元気なときは何のこともなく階段を上がります。怠け心が入ると、「ああ嫌だ

          13 心が管理する身体

          12 心はコントロールできる

           心の感情は身体にも現れます。たとえば、心が怒ると身体が変わります。他を非難、侮辱したくなったり、攻撃したくなったり、破壊したくなったりします。身体の変化が怒りの度合いになります。  怒りが身体に入ったら、他を害する以前に自分の身体に害を与えているのです。心は身体を道具として使っているのです。  身体は物体なので、物理法則に従って動くのです。思うがままに管理できません。  怒った人が人を刺したとしましょう。あとで気が変わっても、相手の傷が治って元に戻ることはありません。

          12 心はコントロールできる