あの選択をしたから

私の会社は運輸業の仕事です。
私は接客の仕事が好きで、乗務する仕事への職種転換をせず乗らない仕事、すなわち営業の仕事を続ける道を選びました。
昇進が遅れましたし、手当ても少ない仕事で同期に比べて5万円ぐらい月給が少なかったですが、お客様と接する仕事が好きでお客様に喜んで頂けるのが嬉しくて、選んで良かったと思いました。
地上の職種に進むと乗務の職種へは二度と進めない決まりだったので、果たして良かったのだろうか?と不安に思いましたが、営業の仕事を続けるうちに正しい選択だったたと納得出来ました。

忙しいながらも充実した毎日で、仕事や職場、仲間に誇りを感じていました。
しかし、そんな私に再び職種変更の話がやってきました。

上司との面談で、乗務する職種の人が不足している、有給を取れない職場もあるから是非行ってくれないか、と言われた。
私はもちろん残りたかったし、乗務する職種になりたくなかったので、とても悩みました。しかし、上司からは再三助けてあげて欲しい、と説得され結局は呑んで受けてしまいました。

私は、

あの選択をしたから

会社人生、仕事人生がおかしなことになったと思います。

困っている人達を助けたい、そんな気持ちで転勤した私を待っていたのは、古い慣習に囚われ管理職が威張り散らすロクでもない職場と人間でした。
先輩達は自ら乗務の道を選んだはずなのに管理職からの指導を守らず、わりと適当でモチベーションは下がりました。こんなことなら行かなければ良かったと悲しい気持ちになりました。
やがて中堅になり、ルールを守らない他の中堅、利己的で保身的な上司にストレスが溜まっていき、でも若後輩には良き手本でありたいとルールを忠実に守って仕事に人一倍追われ、さらに夜勤、泊まり勤務、3時台起床の早朝出勤で徐々に消耗して行き、精神的に病んで通院することになり、結局は産業医の勧めで地上の職種に戻りました。
しかし完治せず、数年後には休職することになってしないました。
以前の自分では無くなってしまったと感じます。

どんなに上司から求められて説得されたとしても、自分に選択権があるのなら自分が望まない道を選んではいけないと思いました。
あの時の上司はもうどこへ行ったか分かりませんし、あの後何の面倒も見てくれませんでした。
有給が取れないから…と助けに行ったはずの職場ではくだらない噂を流されて先輩にいじめられたり怒鳴られたりしました。
会社から何か感謝された訳でもありませんでした。

結局、あの期間は何だったんだろう、何の意味があったんだろう、といまだに思います。ただただ自分が消耗し尽くして踏ん張りが効かなくなってしまっただけでした。

会社とは身勝手で冷たくて、人格も思いやりも無い得体の知れない、欲望の塊なんだと思いました。

どうか皆様も、冷静に自分の人生を最大限に大切にした選択が出来ますように。
そうすれば何かあっても必ず後で納得の行く選択をしたと思えるのではないでしょうか。

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