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ハンブルク、ミニチュアワンダーランドに行って来た。

私は罪悪感にさいなまれていた。冬休みだと言うのに何の予定もないのだ。子供たちをどこかに連れて行かねばならないと言う強迫観念に、毎日イライラしていた。そしてふと思いついた。

「そうだ。ハンブルクに行こう。」

日本語を教えている生徒さんは、よく旅行に行くドイツ人の女性だ。いやドイツ人なんてみんな旅行によく行くんだけど。とにかくその人から教えてもらったことがある。ハンブルクのミニチュア博物館はとても面白いと。私はミニチュアには何の興味もないけれど、きっと男の子なら存分に楽しめるに違いない。 それにハンブルクなら、特急列車に乗れば2時間なので、日帰りで行って帰れる。本当はお友達が半年前から住み始めたマヨルカ島に行きたかったけれど、今ここでそんな出費をしていいのか判断しかねたので、ハンブルクで手を打つことにした。私にしては、思い立って2日目でチケットを買ったのはかなり行動が早い方であり、それだけで一応満足した。

これは練習でもある。私は旅行が下手くそなのだ。前回旅行をしようと思い立ち、ドレスデン近くにある世界遺産の橋を見に行ったりしたのだが、まず2つの違うホテルに泊まったことで移動が面倒なことなり、ホテルから近くもないところに観光に行き、森に迷って何時間もさまよった挙句、一緒に行っていた知人が帰りのバスを逃すという事態になった。そんなこんなで、少しずつ小さなとこから始めて、うまく旅行ができるようになるためにも、日帰りが最初の1歩としてふさわしいと思った。 最終目標はちなみに、エジプトだ。

いつもは特急列車で券を買う時、お金をケチって席を取らないのだが、今までの教訓から今回は大きなテーブルが付いている席を予約した。さすがに2時間も椅子に座れなかったら嫌だなと思ったのだ。行きは結構空いていたので、わざわざ追加料金なんか払って席を取らなくてもよかったかなと、早くも後悔したが、 帰りの電車はまあまあ混んでいて、ほっとした。テーブルがあると子供たちも絵を書けるし、学校のプリントも少しさせられたので、まぁ良かったと思う。今回は往復で80ユーロぐらいした。 (追記) 今まで気づいていなかったんですが、14歳以下のこどもは無料でした。ずっと子供料金を払っているのかと思ってた。。

ハンブルクはやはりベルリンとは少々違っていた。まず、ミニチュア博物館、正式名称はミニチュアワンダーランドと言うのだが、1メートル以下の子供がタダと言う特殊な決まりがあった。普通ベルリンでは年齢で決まってるんだけど。身長で決めるなんて微妙すぎる。下の子は110センチちょっとで1メートル以上あるのだが、保育園児なんだからタダにしてほしいわ。内心100センチということでタダのほうの件を買おうか迷ったのだが、気が小さい私はちゃんと子供用のチケットを買った。入場料は大人20ユーロ、子供12.5ユーロ。

それからコートや手荷物を預けるのにお金が必要だった。これもベルリンではあまりない。 入るまで悶々としたが、中に入ると子供たちはミニチュアの街や山や、小さな人間たちや電車や車に夢中になった。圧巻だったのは、上の階から下の階につながる大きな雪山のミニチュアだった。ハンブルクからブラジルからアメリカまで いろいろな国がテーマになっていた。空港では飛行機が飛んで、壁の向こうへ垂れ幕を超えて消えていった。子供達は、床の下を電車が走っているのを見つけ、テンション爆上がり。

私が面白いと思ったのは、中世から世界大戦、ベルリンの壁と、歴史的な場面を切り取ったミニチュアの展示だった。 写真とはまた違って、巨人の気分でその情景をいろんな角度から眺められ、何が起こっているのか観察できるのが楽しかった。よく見ると、首が吹っ飛んでいたりして怖い場面もあるが、小さいから興味深く観察することができた。だんだん怖いところを探すのが楽しくなった。魔女狩りされているらしい女の人が手をあげているとか、吊るされて川に落とされそうになっている人とか。
それから、豚が飼育されている様子、養豚場のミニチュアもあった。壁にはドイツ人が年間どのくらい牛肉や豚肉や鶏肉を食べているかという図があった。嘘みたいに豚だらけだった。こういった啓蒙活動も素晴らしいと思う。


正直、私は見ている途中で子供たちより早く疲れたので、館内で食事を取ることにした。食事の内容は大した事はなかった。みんなフライドポテトとソーセージ、そしてスパゲティーなど食べている。私はリゾットにしたが、味はまあまあだった。そしてやっぱり値段が高い。甘いものはあまり充実していないし。まぁ文句を言ってもしょうがないけれど。

今回の旅行の反省点は、ハンブルクに行ったのに魚を食べなかったこと。しっかりお弁当を作ってしまったために、ちょこちょこつまむものがあり、そして美味しくもないワンダーランドでの食事でお腹を満たしてしまい、外に出たときに、電車に間に合わなかったらどうしようという危惧から、 街をぶらぶら歩くこと以外しなかったのだ。結局ただミニチュアワンダーランドを見て帰ったという感じになってしまった。そんなに電車の時間にビクビクしなくても、ちょっとレストランに行って食べる位の余裕があったかなと後から思った。まぁ旅行の練習なんで。学びがあって良かったと思う。

あとやっぱり子供と喧嘩をしてしまったので、 最初から火種になるような事を言わないようにしなければならないと、何百回目かわからない反省をした。例えば私は風景をビデオに撮りたかったのだが、上の子がふざけて何回も画面に出てきたので、「私は風景を撮りたいんだ。君を撮りたいわけじゃない。」と言ったらすねてしまった。

いや、しかし、子供二人と旅行で喧嘩しないなんて、そもそも不可能なんだからそこは諦めつつも、楽しめるパーセンテージを上げれるよう練習します。はい。



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