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ゲガンゲンって、、響きダサすぎ! みなさん、ドイツ語ってこんな言語です。*(その1)

「私ドイツビールもベルリンも大好きだけど、ドイツ語ってほんと苦手!ゲガンゲンって響き、ダサすぎ!」

とその昔友人が言っておりましたが、似たようなことを言う在独日本人は少なくないでしょう。ちなみにゲガンゲン(gegangen)とは動詞の「行く」の過去形「行きました」です。

ドイツ語がとにかく大変。覚えられない、上達しない。ドイツに住んで15年以上経っても同じ悩みを持ち続ける私の脳みそは、底が尽きたようです。空っぽのバケツにたまらない語彙力を、虚しい努力で組み合わせて、どうにかその場をやり過ごそうとする毎日なのです。

しかし、ドイツ語がどんなもんかと言うことをお伝えすることはできると思います。日本語と比較すると色々と違っていて面白いんですよね。

何かと逆になる。

「トヨタの社員」はドイツ語で、
Angestellter bei Toyota 
(アンゲシュテルター バイ トヨタ)
と言うことができます。

トヨタと社員の位置が逆になっているのがわかるでしょうか。Angestellter(アンゲシュテルター)が社員という意味なんですが、最初に「社員」次に助詞の「bei」、このは「の」に相当します。そしてToyota(トヨタ)が最後に来ています。
ですから日本語を勉強している学生さんはよく「社員のトヨタ」と逆にして言ってしまったりします。「カメラの本」が「本のカメラ」になったり。そう言われると想像力を働かせて、頭に「本のカメラ」を思い描いちゃうんですよね。

日本語の助詞「てにをは」は単語の後にくっつきますが、ドイツ語の助詞は単語の前に位置します。例えば「私は学校に行く」の「に」の位置が学校の前に来て、「に 学校」になるイメージです。

Ich gehe in die Schule. 
(イヒ ゲーエ イン ディ シューレ)

イヒ(私) ゲーエ(行く) イン(に) ディ シューレ(学校)

同じ助詞でも、日本語の助詞は後ろにくっつく助詞 (Postposition) で、ドイツ語の助詞は前にくっつく助詞 (Präposition)です。ですからドイツ語を話すときは、単語を脳みその中で、ぐいぐいひっくり返す作業が必要になります。結構な力技なので、慣れない内は頭が疲れます。

ところで日本語の特徴って何でしょう。

ちょっと考えてみてください。もし外国の方に日本語を教えるとして、日本語の文法の決まりや特徴を上げるとしたら、何と言いますか?

例えば私は「日本語は動詞が最後ですよ!」と言っていました。日本語の基本の語順は、主語、目的語、動詞(SOV)です。

ググってみるとドイツ語もSOV仲間となっていますが、実際はそう簡単にはいきません。

私はりんごを食べました。
Ich habe einen Apfel gegessen. 
イヒ(私は) ハーベ アイネン アプフェル(りんご) ゲゲッセン(食べました) 

この場合、動詞「食べました」は文末に来ています。けれど現在形だと、

私はりんごを食べます。
Ich esse einen Apfel.
イヒ(私は)エッセ(食べます)アイネン アプフェル(りんご)

となり、動詞の「食べます」は二番目に位置しています。
ドイツ語の動詞のフットワークの軽さは、こんなもんじゃありません。なぜなら分離動詞という厄介なアメーバみたいな奴がいるんです!文字通り、動詞が分離するんです。

例えば aufstehen(アウフシュテーエン )起きる、という動詞があります。

Ich stehe um 9 Uhr auf.
イヒ(私は)シュテーエ(動詞の片割れ)ウム ノイン ウア(9時に)アオフ(動詞の片割れ)

分離しているのが分かるでしょうか。これが過去形なるとまた厄介なんですが、その話はまた次の機会に。。

永遠に覚えられないモノ。 それは定冠詞。

ドイツ語にあって、日本語にないもの、それは例えば定冠詞、Der (デア)Die (ディ)Das(ダス)です。不定冠詞、Ein (アイン)Eine(アイネ)もあります。
これは英語の the や、a にあたる言葉ですが、ドイツ語の名詞は、男性名詞、女性名詞、中性名詞の3種類あります。日本語の文法にないものは、覚えるのが本当に大変です。

der Mann(デア マン)男の人
Mann(マン)が男の人ですが、デアがついていると、「その男の人」と特定の人を指しているニュアンスになります。

die Frau (ディ フラオ)女の人
das Kind (ダス キント)子供

まあ「男」だから男性名詞だよね、だからデアがつくよね、女の人は女性名詞、子供は中性名詞。分かりやすい。それでは質問です。

うさぎ Hase (ハーゼ)は、男性、女性、中性のどれでしょう?

チ、チ、チ、チーン!

正解は der Hase (デア ハーゼ)男性名詞です。

そんなん分かるかーい!!ずーっと女性名詞だと思って「ディ ハーゼ」って言ってたわーい!

あ〜恥し。

一応ルールもありますが、当てはまらないものも多数あります。ちなみにドイツ人に、どうしてこれは男性名詞なの?と聞いても

「だってそう言うんだもん。」

と言われるのがオチです。

まあ日本語でも同じですよね。どうして日本語ではこう言うの?と聞かれても、説明できなくて困ってしまうことは多々あります。

「だってそう言うんだもん。」

日本語の先生が言っちゃいけない言葉ですが。。たまに言ってました。

言語は奥深く、底なしです。言葉では説明できないというパラドクスも含んでいます。

勉強の秋、ちょっとドイツ語の沼にハマってみたくなりました?


今日のドイツ語
Hase (ハーゼ)うさぎ

ドイツ語の動物の単語は、日本語に比べ細かく分かれています。親と子、メスとオスで名前が全然違ったりします。
ちなみにHase (ハーゼ)は野うさぎで、家うさぎは Kaninchen(カニンヒェン)と言います。 


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