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『ブラインド』第一話(#創作大賞2024 #漫画原作部門)

■あらすじ

ワインのテイスティング選手権を描く青春漫画。
堀内恋果は、彼氏が経営するベンチャー企業で気楽に働いていたが、フラれて恋人と仕事を同時に失う。
実家の北海道余市に戻り葡萄農園を継ごうとするが、父親に「中途半端なお前には無理」と追い返され、世界一になってやると啖呵を切って去る。
意気消沈して入ったワインバーで盲目のソムリエ(紫貴謙二)に出会う。
紫貴は香りだけでワインの品種だけでなく、恋果が今日どこに行っていたかなども当てていく。テイスティングの日本代表だったことを知り、恋果は世界一になりたいとその場で弟子入りする。
世界テイスティング選手権(国対抗団体戦)での優勝を目指し、チームメイトと共に奮闘していく。

■補足:参考(競技用ブラインドテイスティングとは)

世界テイスティング選手権(正式名称La RVF World Tasting Championship)という大会が、年に一回フランスで行われています。4人の代表とコーチ1人(試飲不可だが同席してアドバイスができる)がチームとなり、国別対抗で競うブラインドテイスティングの大会で、ワインのオリンピックのような存在。
日本チームの優勝は過去にまだありません。
競技用ブラインドテイスティングを題材にして、夢、挫折、恋愛、仲間との絆などをワインを軸に描き、文化系競技のスポ根ものを目指します。

■補足:登場人物

堀内恋果(ほりうちれんか)26歳
ベンチャー起業家の彼氏の会社で働いていたが、フラれて恋人と仕事を同時に失う。実家は北海道余市のぶどう農園で、圧倒的な味覚のポテンシャルがある。

紫貴謙二(しだかけんじ)45歳
恋果のコーチ。お客さんがどこに行っていたかを嗅ぎ分けるほど、圧倒的な嗅覚の持ち主の盲目のソムリエ。感情の起伏がなく常に冷静、ドライで毒舌。

鬼頭翼(きとうつばさ)33歳 *チームメンバー①
恋果が彼氏と別れた際に相談した弁護士。三大国家資格(医師弁護士公認会計士)を取得していて頭脳明晰。圧倒的な知識でチームに貢献する。

相川沙織(あいかわさおり)源氏名(さおりん)24歳 *チームメンバー②
鬼頭が通うお店のキャバ嬢。飲んできたお酒の量と種類には自信がある。洞察力と直感力に長けている。見かけによらず努力家。酒量を買われてチームに加入。

神楽坂智一(かぐらざかともあき)29歳 *チームメンバー③
沙織が働くキャバクラのビルのオーナー。幼い頃からアートを勉強してきたデザイナーで、微妙な色の違いも見逃さない視覚の持ち主。経済力と視覚力を買われてチームに加入。

鎌田裕二(かまたゆうじ)32歳
恋果を振った元彼氏。富裕層向けにワインを預かり管理するワインセラービジネスを起業している。極度の優柔不断。

早乙女美香(さおとめみか)29歳
鎌田の今の彼女。シニアソムリエの資格を持ちワインスクールで教えるワイン界のアイドル的存在。ブラインドコンテストにも参加している恋果のライバル。


■第1話

シティホテルの前で柱の影に隠れる主人公の堀内恋果(26)。
サングラスにマスク、バンダナで頭を覆っていて、明らかに怪しい格好。
横にいる友人(梨花)に興奮した様子で問い詰める。

恋果:「ホントに裕二だったの?」「相手はどんな女?」「何時にチェックインしたの?」

彼氏の浮気疑惑に怒りが収まらない様子。
そこに彼氏の鎌田裕二(32)が女性と腕を組んで出てくる。

恋果:「どいうこと!」
駆けつけて、激しく問い詰める。
大慌てし、泣きそうな鎌田は弱々しく答える。

鎌田:「刺激が欲しかったんだよ、だって、恋果はなんていうか普通の女の子だから…」

ショックで何も言い返せず、腰が砕けるように座り込む。
鎌田の横にはハイブランドのスーツで身を包んだキャリアウーマン風の美しい女性、早乙女美香(29)。
冷たい表情で恋果を見下ろす。

○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・

友人の梨花とバーに来た恋果。
飲み干したビールグラスが大量に置かれている。

恋果:「テキーラありったけ!」

鎌田が起業した会社で働く恋果は、もう働けないと、彼氏と仕事を同時に失ったことを嘆く。
「25までにお金持ち彼氏を見つけ、20代で結婚、子供を2人生み、子供が自立した40代で美魔女として雑誌でチヤホヤされる」
という人生設計が崩れ去り、明日からニートという流れに絶望し涙する。


○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・

1ヶ月後。
ボサボサの髪、パジャマ姿、夕日が部屋に入る時間帯にまだ寝ている恋果。
母親からの電話に出る。
全て失い、ニートをしていると伝えると、
ふるさとの北海道余市に戻ってきて父親のぶどう農園を手伝いなさいと、促される。


○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・

余市に戻った恋果。
家業を継いであげると伝えるが、犬猿の仲である父親と大喧嘩。
「何をやっても中途半端なお前には無理」と追い返され、
「世界一になってみせる」と啖呵を切って東京に戻る。


○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・

ふらっと入ったワインバーで、盲目のソムリエ紫貴謙二(45)に出会う。
香りを的確に捉えて、ワインの産地やビンテージ、色までも当てていく。
さらに、恋果がぶどう畑帰りであることなどを服に付いた香りから推測していく。

感激する恋果。

紫貴がテイスティング選手権の日本代表だったことを知り恋果は、
「世界一になりたい」とその場で弟子入りを志願する。

幼い頃から食用ぶどうに慣れ親しんでいたからか、味覚は研ぎ澄まされている。
紫貴がわざと出したブショネ(コルクの不具合で味や香りが劣化)のワインだけを残していた。
それを見て弟子入りを受け入れる。


つづく。


#創作大賞2024 #漫画原作部門 #文化系スポ根 #ワイン


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